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ソーシャルIPO!

皆さん、おはようございます!
改めてこれからの時代は形式知よりも暗黙知が注視されるようになると思います。言い換えれば、ただ単に様々なことを知っているというだけではなく、考え出す力をどれだけ持っているかが問われると思います。それは様々な経験を通して育まれることに尽きるでしょう。



ESGの先を行く、ポジティブ・インパクト・ファイナンスが徐々に広がりを見せているようです。ポジティブ・インパクト・ファイナンスとは、企業の活動によって環境・社会・経済にどの様なインパクト(=ポジティブな影響とネガティブな影響)を及ぼすかを包括的に分析・評価し、当該企業活動の継続的な支援を目的とした社会的に意義のある投融資です。


企業の環境や社会、ガバナンス(=統治)への取り組みを考慮するESG投資よりも、もっと環境や社会問題の解決を目指していこうとする投融資です。昨今、投資家の裾野が広がり資金の提供を受けて新規上場を目指す企業も出て来ています。その様な新興企業によるIPO(=新規株式公開)がソーシャルIPOであり、欧米ではその様な企業が登場してます。


業績だけでなく社会にどんなインパクトを与えたのかについて開示する必要があります。その多くの企業が受けているのが「Bコープ」と言われる、米国非営利団体Bラボによって行われる認証です。企業が公益を重視しているか300近い項目について審査を受ける必要があります。認証企業は世界で4500社を超え、そのうち40社が上場を果たしています。


ハンドクラフトのeコマース事業を営む米エッツイー、教育事業を営む米ローリエット・エデュケーション、組合銀行を営む米アマルガメーテッド銀行、再生可能エネルギーを供給するスペインのオラルス・クリドン、DX支援のコンサルティング事業を営む英キン・アンド・カルタなど、何れの企業も社会問題が山積する事業を営んでいることが見て取れます。


欧米では消費者がBコープ認証付の商品を好んで購入し、就職先としても人気が高いようです。日本でも羽毛製造のシルクウェーブ産業(=群馬県桐生市)など8社が、Bコープ認証を受けています。日本では欧米ほどBコープの認知度が高まっていませんが、今後、欧米と同じように認知度が高まりソーシャルIPOを果たす企業が出現することになるでしょう。


株式を公開し株主が増えれば、利益追求への圧力が増すものと考えられます。ソーシャルIPOを果たした企業は、事業の利益だけでなく社会的影響の重要性をも踏まえながら、投資家の期待するリターンに応え社会貢献も最大化することを目指しています。ただでさえ利益を出し続けることは大変なのに、社会貢献事業を通してそれを行うのは大変だと思います。


事業の利益追求と公益の両立を目指すのがソーシャルIPOですが、社会にとって良い事業を営む企業には、消費者も投資家も集まってくるものだと思います。その結果、事業に必要な良質な資本を活用し、業績も後から付いてくる好循環が生まれるように思います。もちろん事業が一定以上に洗練された合理的な仕組みを持っていることは言うまでもありません。


なぜ、そんなに大変な茨の道を進んで行くかという声が聞こえてきそうですが、本来企業は社会の公器として利益を追求すべきものでありますし、逆にその様な公益性を追求しない企業には資本が集まり難い時代になるのではないかとも思います。今までの投資家や企業が盲目的に利益ばかりを追求し過ぎてきてしまったことに対する軌道修正とも言えるでしょう。


今日もありがとうございます!
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