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人工光合成!

皆さん、おはようございます!
自分に出来ることを語る人は多いのですが、自分が目指すべき目標を指し示せる人はあまりいません。もちろん自分に出来ることを通じて、社会との関わりの中でなにを為すべきかを考えていくのですが、それは時間を掛けて経験をしながら胆力として刻み付ける作業です。



三菱ケミカルやトヨタ自動車、東京大学などは太陽光と二酸化炭素(=CO2)を使ってプラスチック原料を作る人工光合成の大規模実証実験を2030年に実施する見通しです。水を太陽光で分解した水素にCO2を反応させてプラスチック原料を作ることが可能であり、脱炭素につながると期待される他、水素を代替エネルギーとして利用することも可能です。


化石燃料由来プラスチック原料に対するコスト競争力を高め、2040年までの実用化を目指す考えです。人工光合成とは、植物の光合成をまねて太陽光を使って水を分解して水素などを取り出し、二酸化炭素などと反応させて燃料やプラスチック原料などを作る技術であり温暖化に影響を与えるCO2を有用物質に変えることから、脱炭素の切り札とされてます。


水を分解する方法には、光触媒を使う方式と電極を使う方式に大別されています。実用化に向け変換効率の向上やコストの低減に注力している段階にあるようです。人工光合成の技術は、東京理科大学の藤嶋昭栄誉教授が1967年に水を入れた酸化チタンに光を当てると水を分解する「本多・藤嶋効果」を発見したことが端緒となり、研究が盛んに行われてます。


2011年には岡山大学の沈教授が植物の光合成を担うたんぱく質の結晶構造を解明するなど、日本から大きな研究成果が相次いでおり、国内企業も価値の高い特許を多く保有しており、数少ない日本がリードする技術分野と目されています。しかし、最近は海外勢の追い上げも厳しく、中国が人工光合成によりデンプンの合成に成功させた成果が伝わってきます。


これに対する日本の動向として、新エネルギー・産業技術総合開発機構(=NEDO)が今後10年間で約300億円の支援を決めてます。まず2030年までに水素の製造コストを1Kgあたり240円と天然ガス由来の水素並みに抑え、2050年までに170円以下に引き下げる計画です。併せて水素とCO2を反応させる効率も高めることを目論んでます。


水を水素と酸素に分解するシートを張ったパネルに水を入れ太陽光を当てて水素を作り、更に水素にCO2を反応させプラスチック原料を作れれば、原材料を海外からの石油や天然ガスの輸入に頼らず国産化できる、壮大かつ国益にかなった事業だと思います。エネルギー政策といえば太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーへのシフトが急務となっています。


太陽光発電にしても、風力発電にしても施設開発の結果、周辺地域環境への影響が指摘される中で、人工光合成による水素やプラスチック原料を使用した地球環境に優しいエネルギーの供給が可能になると思います。我が国は水が豊富な国ですので、人工光合成の施設を設置する立地も、太陽光発電や風力発電より柔軟に対応することが出来るメリットもあります。


後は、水を太陽光により分解して水素を取り出すための技術として光触媒方式か光電極方式の進歩が待たれます。水素を取り出すためのコストも大切ですが、各々の方式における部材を生産するために環境に負荷を掛けてはなりません。人工光合成施設と太陽光発電施設をハイブリット化するスマートでエコな発電施設の検討をも是非とも行って頂きたいものです。


今日もありがとうございます!
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