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ホテル事業!

皆さん、おはようございます!
テレビを見なくなってから1年余りが経ちます。見なければ見ないでなに不自由なく済んでしまうものです。テレビ番組の質がいかに落ちているのかを実感するとともに、テレビを見ていた時分に随分と時間を浪費していたと感じます。捉われのない自由な時間は財産です。



西武ホールディングス(=HD)は、プリンスホテルやレジャー施設など国内約30施設の今まで自己保有してきた不動産部分のみを分離して、シンガポール政府系投資ファンドのGICに売却する方向で最終調整に入ったと報じられています。新型コロナの感染拡大でホテルなどの客足が大きく低迷し、資金繰りが懸念されていることが理由として上げられます。


鉄道業界では、近鉄グループホールディングスがホテル8ヶ所を米投資ファンドブラックストーンに売却するなど、不動産を圧縮する動きが相次いでおり、今後も続くと見られています。元々、ホテルをはじめとするレジャー施設の運営収益力は低く、土地や建物など不動産を購入した場合、初期投資の回収期間が長期に渡ることは、一般的に知られたところです。


それでもバブル経済華盛しき時代に、鉄道各社が事業の多角化を目的にホテル事業に投資を行ってきたのは、本業の鉄道事業や付帯する不動産事業における余りある不動産価値を背景に、それらを担保に金融機関からホテル不動産購入資金を調達できたことと、ホテルという事業自体の華やかさからくる付加価値が不動産の価値を高めると考えられていたからです。


不動産を購入してまでホテル事業を行っても資金繰りが廻らないことが明であるにも拘わらずホテル事業を行って来たのは、日本に根強く不動産価格が上昇し続けるという神話があったからです。インフレ経済を前提としていれば、何れホテル施設利用料の上方価格修正がなされ、借入金返済資金を上回るキャッシュインフローを期待できるとの皮算用もあります。


土地を長期間保有し続けることにより含み益を享受できるという幻想は、その後のデフレ経済下において儚くも打ち砕かれています。今般、西武HDが売却するホテル施設などは、その様な目論みが外れた借入金頼みで取得したホテルだと思います。ホテル施設の価値よりも借入金の方が大きくなっていることから、早々に売却して借入金を圧縮したいのでしょう。


では一方のホテル施設などを買収する投資ファンド側は投資採算が合うのでしょうか。GICは、日本のホテルはコロナの影響で客足が落ち込んでいても、中長期的にみれば回復が見込めるとして投資を決めた経緯があります。日本は海外に比べて金利水準が低く、相対的に高い利回りを見込める安い価格で不動産を購入出来ることから、積極的に投資してます。


この認識の差は、外資系投資ファンドなどはグローバルで資金を分散投資をしています。ハイリスクハイリターンからローリスクローリターンまで、短期から長期に渡る様々な金融資産にポートフォリオを考えながら投資しているため、経済が相対的に安定している日本、特にホテルは立地ポテンシャルが高いため値崩れを起し難く投資しやすいといえるでしょう。


バブル経済下に置いても、賢者がホテル事業に参入する際は、外資系投資ファンドと同じ様な投資ポジションを採っていた保険会社に不動産保有して貰い、ホテル経営とオペレーションに特化するということが為されていました。本腰を入れてホテル事業に専念をするのであれば、ホテルのブランド力を高め続け他社のホテル事業参入に際して運営受託すべきです。


今日もありがとうございます!
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