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されど貸借対照表!

皆さん、おはようございます!
数字とは、物事の大小を数量で表す大変に便利な記号、文字だと思います。数字で表現すれば万国共通、翻訳することなく誰しもが理解できます。財務会計などは、その数字を納める場所(=勘定科目)を定義付けすることにより、数字に言語としての意味を持たせてます。



企業の財産状況や業績を示す書類として財務諸表があることはご存知かと思います。財務三表といって貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書があります。この3つの財務諸表の順番が結構重要で法律で規定されている位です。人によっては取っ付き難く、敬遠しがちな方もいると思いますが、数字を納める場所さえ理解できれば直ぐに合点が行きます。


私が、この財務諸表に本格的に仕事で触れたのが信用金庫に勤めている時ですから、ちょうど35年前にまで遡ることになります。それまでも、父親が商売をしていたことから身近な存在であり、財務諸表がどの様なものか位は理解をしていました。信用金庫では、融資審査の必要から見よう見まね財務諸表分析を行う他、事業計画書作成などを手掛けていました。


文明が生み出した利器ともいわれる財務諸表の精巧な仕組みやロジックがとても新鮮であり非常に魅了されたことが思い返されます。本格的に財務会計の勉強を始めたのは、その後のディベロッパーに転職をしてからです。そこでは主に事業計画を表現する為に実績ではなく予想としての財務諸表を作成していたのですが、表現する数字の奥深さの虜になりました。


様々な経済事象に対して、どの様な数字の大きさを当て嵌めるかということもありますが、それを置く場所の意味をどう解釈し表現するか、財務諸表を作成する者の個性が如実に表れます。その意味では、財務諸表というものは企業活動のストーリーを表現するための譜面の様な存在だと思います。その後、大学院にまで行って解釈(=認識)の研究をしています。


仕事への活用としては、事業を再構築したりM&Aのために1千社に及ぶ財務諸表を読み込み理解し、ビジネスモデルの転換を図っています。経済が右肩上がりに伸びている時代であれば、売上と利益を表現する損益計算書を第一義に見ておけば良かったのですが、低成長時代になりますと資金繰りが大切になりキャッシュフロー計算書に目が向くようになります。


現在でもその名残が企業に強く残っていますが、実は財務三表の中で一番大切なのは貸借対照表なんですね。損益計算書やキャッシュフロー計算書が貸借対照表を補完する財務資料として取り扱われてきた歴史的な経緯もありますが、そもそも財務三表の構造上、損益計算書やキャッシュフロー計算書は、貸借対照表をベースとして作成されるものであるからです。


また、事業戦略を考える時、どの様な有形無形の資源を有機的に結合して投下した資本以上の超過収益(=広義ののれん)を期待するかということが必要になります。これが構想するビジネスモデルを具体的な計画に落し込む時の設計図に他なりません。顧客、競合他社、取引先などの利害関係者が存在する中で、どの様なビジネスモデルを描いて行くか大切です。


M&Aが活況を帯びていますが、漫然としたM&Aが多い様に見受けます。実は事業再構築もM&Aも本質は同じで、構想するビジネスモデルを達成するために、どう貸借対照表の左側に概括されている有形無形の事業資源を組み替えるかということになります。先行き不透明な時代は、貸借対照表からどれだけ事業の実態を読みこなせるかがその後を左右します。


今日もありがとうございます!
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