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年収10億円の中途採用!

皆さん、おはようございます!
このところ毎日のように、これまでの働き方からは考えられない様な人事制度の改定が目立ちます。飛行機での出勤を可能とする会社、公募による地方移住も可能な社員転籍、挑戦心に期待しての副業解禁など、いづれも優秀な人財を惹き付けるために必要なことでしょう。



ファーストリテイリング(=FR)が中途採用の年収を最大10億円に引き上げます。柳井正会長兼社長の年収4億円を上回るばかりか、日本や欧州の最高経営責任者(=CEO)報酬総額平均をも上回っており、米国平均15億8千万円に匹敵する水準です。日本企業の中途採用の平均年収の200倍超にあたり、度肝を抜かされる金額に舌を巻きたくなります。


流石にFR創業者である柳井氏流の破天荒な性格がここでも炸裂したかという感じですが、現実的には衣料品業界では米アマゾン・ドット・コムなどIT(=情報技術)大手との競争が激しくなっていることが背景にあります。世界中からデジタル人財を惹き付けて、事業のデジタル化や電子商取引(=EC)、サプライチェーン(=供給網)の構築が不可避です。


その為には、中途採用の年収が10億円でも厭わないということなのですが、確かに柳井氏が考える経営ビジョンが示す通り、将来の競合企業はZARAではなくGAFA(=グーグル、米アップル、旧フェースブック(現メタ)、アマゾン)になると捉えれば、アパレルの製造販売が中心のビジネスモデルを転換し、IT人財を戦力として捉える必要があります。


また、柳井氏は想定するIT人財として、コンサルタントや大手企業出身者でなく、新しい価値を生んだり、事業を白紙から考えることができることを想定しており、採用数には上限を設けないことに言及しています。柳井氏より優秀で天才的な人財であれば100~200人でも採用したいとしています。これはもうGAFAを意識した発言としか聞こえません。


日本企業は、これまでメンバーシップ型雇用により給与が終身雇用と一体運用されており、年功色の強い横並びの雇用慣行が常識とされていました。しかし、アパレル業界でグローバル展開する国内首位FRが同業他社ではなく、IT大手グローバル企業を競争相手として捉えざるを得なくなっていることは、国内大手他社にも刺激を与えることになるでしょう。


それも非常に優秀な人財が集まっていると考えられているコンサルティング企業や大手企業出身者を度外視しているところに留意が必要です。標準化されたセオリーを駆使しても、この先行き不透明な社会の中では役立たず、もっと斬新な過去に捉われない発想でこれかの社会を切り開いていく型破りな人財を望んでいるところがスケールの大きさを感じさせます。


それは、あたかもGAFAのCIO(=最高情報責任者)経験者クラスの人財をスカウトしてくること、またはそれに匹敵する位のポテンシャルのある人財を中途採用することを意味していると思います。その様な人財は、たとえ世界が広しといえども一握りしかいないかもしれません。但し、その様なスケール大きな発想を我々日本人も持たなければなりません。


FRの柳井氏以外に思いあたるスケールの大きな経営者といったらソフトバンクグループの孫氏や日本電産の永守氏でしょうか。それぞれに、これまでの日本のビジネス慣習に捉われることなく、グローバルな視点で大胆に社会が向かうべき方向を見つめていると思います。
あるべき企業や社会の姿を思い描きながら、それを実現して行く大胆な行動力が必要です。


今日もありがとうございます!
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