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「温泉地」再生!

皆さん、おはようございます!
いま社会の弊害の一つに個人の信用力というものがあると思います。どうしても企業中心社会の中で大手企業に勤める方々が背負ている看板で評価する風潮があると思います。この広い社会の中で自律的に活動しようと思ったら、個々人を評価する目も養う必要があります。



官民が連携して温泉地の面的再生に乗り出します。とは言いましても、官民ファンドの地域経済活性化支援機構(=REVIC)の話しです。REVICなどが資本を提供し、地元金融機関が新規融資するSPCストラクチャー(=特別目的会社を活用したプロジェクトファイナンス)を活用して、全国の温泉地の再生を計画しています。旅館ではなく温泉地です。


単独での再生には限界がある小規模な複数の旅館を束ねて、効率化や改装等により集客力の強化を後押しすることを企図しています。確かに客室数の少ない旅館単体を再生するには限界があります。旅館街を面として捉えて、複数の旅館を同時に再生して行くことは、運営管理面や広告宣伝などコストを共用することができ、地域再生の観点からも効果的でしょう。


REVICが中心となり組成する「観光遺産産業化ファンド」に、民間企業や金融機関も出資をして、まずは神奈川県の温泉地湯河原の再生に取り組むそうです。部屋数が20室前後の2つの旅館を対象に支援します。観光ファンドがSPCから数億円の社債と株式を引き受け、日本政策金融公庫も一部が資本と見做される資本性劣後ローンを提供するとしてます。


これまで旅館の取引金融機関であったさがみ信用金庫が既存融資の返済条件を変更した上で新規融資を実施する他、近隣の三島信用金庫も融資に加わり、更には観光庁と湯河原町も補助金を出すという念の入れようです。きっと対象の2つの旅館は、経営者が引退真近な高齢者なのでしょうか、SPCが彼らから旅館の経営権を買い取り再生に踏み込むのでしょう。


SPCが他の経営難旅館と協議を進め扱う物件を買い増す可能性も示唆しています。2つの旅館は大規模に改修し、高級旅館や湯河原にゆかりある文豪をモチーフにした旅館に衣替えするそうです。旅館運営は、湯河原や箱根で宿泊施設運営実績のあるリアルクオリティにSPCが建物を転貸し任せる取組です。清掃など間接業務も共通化しコスト抑制を図ります。


観光ファンドは、元々インバウンド誘致のために2019年に組成されていますが、コロナウイルス禍によって2020年夏に旅館再生やまちづくり投資目的を切り替えた経緯があります。これまでに日光や伊勢志摩など11の地域を投資対象に旅館の再生にあたってます。今般の湯河原で確立する温泉地の面的再生スキームを全国に展開させる目論みだそうです。


部屋数が50室未満の小規模旅館はコロナ禍前から負債が膨らんでいる所が多く、実質無利子・無担保融資という政策的資金繰り支援によって顕在化されていませんが、今年以降、行き詰る観光事業者が増えると思います。観光需要が落ち込んでいる上に老朽化した建物や設備改修の資金調達が出来ず、更に事業が苦しくなる悪循環に陥る事業者が増えるでしょう。


観光事業に拘わらず再生すべき事業は増加の一途を辿ると思います。再生に着手しようにも金融機関からの借入金が焦げ付き利害関係の調整が出来ないことが往々にしてありますが、再生ファンドを活用して利害関係者のベクトルを一致させることも選択肢の一つだと思います。やはりその時も事業を点ではなく面として捉え、まちづくりに資することが必要です。


今日もありがとうございます!
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