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地銀プラットフォーム!

皆さん、おはようございます!
サラリーマン時代と今を比べますと、第二の人生ではありませんが随分と人間が丸くなったようです。既に二人の息子たちも30歳前後と、昔の私の子育てについて対等な立場で批判されると反論する余地がありません。慣習に捉われず精一杯生きてる姿が嬉しく思います。



SBIホールディングス北尾吉孝社長は新生銀行を連結子会社化したことを受けた記者会見で「新生銀行を地域金融機関の新たなプラットフォーマーと位置付ける」ことを表明しています。新生銀行を地銀8行まで拡大した「地銀連合構想」の中核銀行に衣替えすることにより、「第4のメガバンク」として拡大する顧客ネットワークの中枢を担うことになります。


2019年SBIホールディングが始めた資本提携スキームは、既に8行まで拡大していますが、それ以外にフィンテックファンドなどを通じて資金拠出している地銀は計40を超えていると言われています。地銀投資を手掛ける「SBI地域銀行価値創造ファンド」も設立し着々と出資先を増やしており、経営改善にも繋がる取り組みだと好感的に受け止めます。


今までSBIホールディングスがこのネットワークを束ねてきたのは証券や保険、システムを通じてでした。新生銀行がグループ入りすることによって、ノンバンクや法人事業が付け加わることになります。少なくとも資本提携先8行の合計法人顧客数が2万6千社を超えることになりますので、この法人顧客に対して新しい事業展開を行うことが可能になります。


地銀が苦手な個人顧客の資産運用事業や余った預金の市場運用をSBIホールディングスが請け負うことに加え、ノンバンクやストラクチャードファイナンスなどの分野を新生銀行が担うことが可能となります。新生銀行を地銀連合構想の「中央金融機関」と擬して位置付ける構想だと思います。今後、どこまで地銀経営に介入して行くのかが試されるのでしょう。


今回のSBIホールディングスの取り組みは、バブル経済崩壊後に商流での仲介業務から事業投資へ大きく舵を切った総合商社のビジネスモデルに似ていると思います。ソフトバンクグループがビジョンファンドを通して行っている、キャピタルゲイン獲得を目的とする金融投資と異なり、事業投資は既存事業への投資を行いながら業界再編を促すことが可能です。


言い方を変えれば、事業投資を行いながら縦割りとなった企業のバリューチェーン(=原料の調達から顧客に商品が渡るまでの一連の流れを「価値の連鎖」としてとらえ、商品やサービスにどのような価値が加わっているかを明らかにするフレームワーク)を再構築することにより、新しい時代に必要な事業のあるべき姿に事業再生して行くことが可能となります。


確かに新しい事業をゼロから立ち上げることも必要かもしれませんが、これからの時代は高度化した社会メカニズムの中で事業を営む既存企業において、社会の変化を捉えて生活者が必要とする新しい商品を提供すべく、企業の垣根を超え事業を組み替えることにより新しい事業へ再び蘇らせることも必要なことでしょう。これからは企業同士が連携する時代です。


事業を立ち上げるとは、事業に必要な資源を組み合わせることに過ぎません。その為には、明確なパーパスを持つプラットフォームが必要であり、そのプラットフォームが外に対して開かれている必要があります。今回のSBIホールディングスの取り組みは、それを地銀業界で行うものであり、必要なことは来るべき社会を見極めた構想を描けるかなのでしょう。


今日もありがとうございます!
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