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日本旅行の新中期経営計画!

皆さん、おはようございます!
同じ志を持つ仲間が集まり「共感」し合いながら一つの目標に向かっていく姿って素晴らしいと思います。各人が持つ異なる個性やスキルを織り成しながら、奏でるハーモニーが身体に浸み渡ってきます。1+1が2ではなく3にも4にもなるのはこの様なことなのですね。



昨年末に日本旅行は2025年12月期を最終年度とする新中期経営計画を発表してます。それによりますと2025年12月期売上高300億円(=単体)の68%を自治体業務受託など「非旅行」部門が占める目標となっています。新型コロナウイルス禍で旅行需要が低迷する中、ビジネスモデルを転換することが喫緊の課題となっていることが読みとれます。


非旅行部門の「ソリューション事業」は、2019年12月期の40%から30ポイント近く増やす見通しで、軸足がツーリズム事業から移ることになります。ソリューション事業の内容は、ワクチン接種支援など自治体からの受託業務ほか、今後は企業の課題解決にもあたるようで、旅行業の知見を生かし国際会議などのイベント業務などの受託を行うそうです。


親会社のJR西日本と連携して、沿線自治体での観光資源開発なども手掛けます。手数料収入が中心の旅行業と比べ、ソリューションは高い利益率が期待できるようです。日本旅行のブランド力をもってして意外に売上高が低いという印象がしますが、持てる事業資源を活用し本当の意味での観光資源開発を自治体と連携しながら行っていくことに期待したいです。


ツーリズム事業はコスト構造改革を進め、2020年12月時点でグループで約200ヶ所あった国内店舗を2021年12月時点で約90ヶ所にまで減らす大鉈を振るっています。2022年12月時点では約50ヶ所まで減らす方針といいますから、今般のコロナウイルス禍の影響は計り知れないものがあり、日本旅行という会社の屋台骨を揺さぶっています。


その後のツーリズム事業はオンライン予約を中心に据え、従来より売上高が低迷しても利益ベースでは上回る体制を目指して行くそうです。社員数は、単体で約2100人のまま横ばいの見通しですが、そのうちツーリズム事業の社員数を700人から400人に減らす一方
ソリューション事業は1300人から1500人に増やす計画であることを示しています。


日本旅行の2020年12月期の連結売上高は前期比57%減少の237億円で、最終損益は127億円の赤字(=2019年度は19億円の黒字)だったそうです。これだけ見ても事業規模の大幅縮小を余儀なくされているということが出来ます。それに対して、人員体制を維持し続ける方針であることについて、理解は出来ますが実現可能であるのでしょうか。


これまで旅行といいますと、人為的に造られた観光地を巡るという印象が強かったと思います。旅行を非日常空間を目の当たりにする体験型のイベントであると捉え直せば、まだまだ未開拓の観光資源が沢山あると思います。人々は、日常生活から離れ未だ知りえなかった文化、生活に触れた時に、物事を見る新たな視点を持ち得、視野が広がり成長するものです。


その意味では、下町の町工場、一次産業なども観光資源として、私たちに教えてくれるものが大きいのではないでしょうか。もっと足下にある見失ってしまった本質に見つめ直すことにより、閉塞感が漂っている多くの可能性を秘めた日本はまだまだ変わり行くことが可能ではないかと思います。その意味で、日本旅行の観光資源開発に期待を寄せたいと思います。


今日もありがとうございます!
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