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東急不動産ホールディングス!

皆さん、おはようございます!
年末年始は束の間ですが日々の喧騒から離れ、静かな毎日を過ごしておりました。昨年は自分が思い続けてきたことが少しずつ目に見え形になってきたことを実感できた年だったと思います。今年は、もっと思いを強くし目に見えないものを描き出して行きたいと思います。



また一つ文化が消え去っていこうとしており残念に思います。そうです、東急不動産ホールディングス傘下の東急ハンズをカインズへ約200億円で売却することが明らかになり、今回のM&Aの良し悪しというより、ホールディングスカンパニーに改組する以前に持っていた東急不動産の変貌ぶりに、改めて東急ハンズを創業した頃の奥深さが懐かしく思います。


カインズによる東急ハンズの買収は、いわば流通業界固有の面とり合戦の様相を呈しておりどんなにカインズが持つ独自商品開発力やEC力を東急ハンズに採り入れ、逆にカインズは東急ハンズの持つバラエティ豊かな商品を取り扱うとはいいましても、結局は郊外型店舗出店を主体とするカインズによる都心店舗という立地を獲得することが目的となっています。


更にカインズは、当面、東急ハンズという名称を継続使用することとしていますが、将来的には改称することを明らかにしています。無論、事業を続けていく限りは売上を上げ続け利益を創出して行かなければ継続性に疑義が生じてしまいます。しかし、それは目的ではなく結果であり、大切なことは流通業者としてどの様な価値をお客様に提供できるかでしょう。


その意味で、今回のカインズによる東急ハンズの買収劇からは、一見すると相互補完効果がある様に見えますが、実際には各々の事業の個性が中和される結果として、どの様なコンセプト(=理念)の店舗を創り出して行こうとしているのかが良く見えてきません。寧ろ、カインズはカインズの東急ハンズは東急ハンズのブランドに磨きをかけていくべきでしょう。


それにも増して、今回の東急不動産ホールディングスによる東急ハンズ売却決定に至った理由の方が興味深いものと受け止めています。確かに東急ハンズは、都心立地の事業ということもあり新型コロナウイルス禍による消費者の巣ごもり生活へのシフトや海外からの旅行者の大幅な減少を受け、売上高が激減しており営業損益が44億円もの赤字を出しています。


東急不動産ホールディングとしては、不採算事業の整理を進め、太陽光発電所の開業・運営など再生可能エネルギー事業に投資を振り向ける方針の一環で、今般の東急ハンズ売却を決定しています。今後も、ゴルフ場やスキー場などにおける不採算事業を売却して行く意向を明らかにしています。どの様な意図から再生可能エネルギーに取り組んでいるのでしょう。


確かに今後の我が国のエネルギー政策を考慮に入れますと、再生可能エネルギーは必要不可欠な事業ではあるのですが、果たして東急というディベロッパーが手掛けるべき事業なのでしょうか。再生可能エネルギー事業とは、ディベロッパーにとって金融商品のようなものへの投資であり、まちづくりという地域文化を発展させる社会的な使命とはかけ離れてます。


旧東急不動産の良さは、東急百貨店などをグループ企業として持つ東急電鉄グループの総合力を活かして、ただ単に不動産開発を行うのみならず様々な不動産を活用した高質な運営事業をも開発してきた素晴らしさにあった筈です。それが本来のディベロッパーというものだと思いますが、いまの東急不動産ホールディングは単なる金融会社と変わらないものです。


今日もありがとうございます!
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