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SMFGの社長製造業!

皆さん、おはようございます!
ことさら必要以上に自分自身の能力や長所を意識する必要はありませんが、時としてそれを見つめてみることも必要でしょう。他者との違いを理解することで、自分が持ち得ない能力や長所を研ぎ澄ますことが出来れば、社会にとっての存在意義が高まると考えるからです。



三井住友ファイナンシャルグループ(=SMFG)の太田社長は、「社長製造業」という若手・中堅社員による現場起点のアイディアを生かした社内ベンチャーを立ち上げる取り組みで、創業に至った企業が既に10社を数えるまでになったことに言及しています。メガバンク、それも銀行業という業態で社内ベンチャーに取り組む試みは、ユニークだと思います。


実際に立ち上げた新しい事業をご紹介しますと、電通グループと立ち上げた広告事業、法人向けデジタルソリューション事業、弁護士ドットコムと立ち上げた契約手続きのデジタル化事業、コマツなどと立ち上げた建築業務向け金融サービス事業、生体認証サービス等です。
どの事業も業務の延長線上で考え得るものですが、これから期待できる分野だと思います。


銀行業には事業会社を兼業してはならない制約があるため、思い付く事業なら何でも良い訳でなく、あくまでも本業である金融事業を運営する上で派生的に考えられる「業務系」事業として捉えなおしたBPO的な新しい事業であることはやむを得ないものと思います。寧ろ制約があるからこそ奇をてらわず、地に足の着いた堅実な事業展開が出来ることでしょう。


また、行員に社内ベンチャーの社長業を務めさせることは、本業で失われがちのバンカーとしての目利き力を醸成することが出来ると思いますし、新規事業の立ち上げができる希少な人財を自行の経営層に抜擢するなどの効果もあると思います。とかく減点主義の官僚的階層組織を持つ銀行というものは、役人的事務業務に長けた人材しか育たない弊害があります。


その様な中でのSMFGの社長製造業の取り組みは、異色でユニークなものでしょう。それは銀行業だけの事ではなく、閉塞感漂う多くの大手企業が抱える問題だと思います。その問題に真摯に向き合い、人材を人財にしていくことが日本の社会を変える早道だと思います。
企業が必要とする人財像が変わり行けば、教育のシステムも変わらざるを得ないでしょう。


ベンチャー企業などの社長業を経験して得ることは、企業の最終責任者として逃げ場がないことはもちろんですが、それ以上に大切なことは一般の従業員とは異なり、自分が遣るべき仕事に制約される範囲がなく、かつ事業が標準化されている訳ではありませんから、自分の意思と才覚次第で事業を無限に描き出すことが出来ます。自由ですが責任も付き纏います。


また、これからの時代において言えることは、ベンチマーク(=物真似)すべき事業なんてありませんから、自ら自由な発想で事業を描き出すことが不可欠なのですが、このプロセスはアート活動と同じだと思います。社会が抱える課題を見出し、それを事業を通して解決していく訳ですが、なぜそれに取り組んで行くべきかは本人の美意識や人生哲学に拠ります。


自問自答を繰り返しながら、他者からの批判を甘んじて受け入れて、自分を磨いていく切なさを通して、はじめて社長という人財が磨き上げられて行くものです。一つの会社を勤め上げた経営者というものは、左脳ばかりが鍛えられてしまうものですが右脳も大切なのです。その意味で、社長製造業の取り組みは完全でないにしてもその糸口を経験できるでしょう。


今日もありがとうございます!
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