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大手のダウンサイジング!

皆さん、おはようございます!
持てる自己資源の活かし方は様々だと思います。同じ中小企業に関わるにしても、一つに集中せず多様な事業に関わるのは、少しでも多くの企業の活力を取り戻したいからかもしれませんが、それ以上に自身も事業を背負うことで絶えず視野を広く保つためかもしれません。



東芝が3事業に会社を分割することを発表したのと時を同じくして、海外からも名門企業が会社分割をするというニュースが飛び込んできました。それは米国のコングロマリット企業の代表格であるゼネラル・エレクトリック(=GE)と米日用品・製薬大手のジョンソン・エンド・ジョンソン(=J&J)です。彼らはどの様な意図で会社分割をするのでしょう。


GEといえばトーマス・エジソンが生活家電メーカーとして創業した129年もの歴史を持つ企業であり、現在は発電機、航空機エンジン、医療機器などの主要事業を擁しています。
一方のJ&Jは、日用品や市販薬を含む消費者向け事業部門と、処方薬や医療機器などの医療向け事業部門を持つ企業です。いずれも日本国内でも馴染みのあるグローバル企業です。


GEはそれら3事業部門を3つの会社に分割する計画です。リーマンショック以降、業績の悪化から虎の子である金融事業の売却やリストラ、経営者の交代が続いていた経緯があります。それでもイノベーションや新しい価値観を生み出すことが出来ないジレンマに陥っていました。勿論、コングロマリットディスカウントを解消したいという意図もあるでしょう。


J&Jも今後数十年にわたり価値を提供し続ける為には、事業を継続的に進化させる必要があるとしています。事業の多角化によって企業価値が抑えられるコングロマリットディスカウントを回避し、各事業の専門性を高めていく方針です。何れの企業にも共通するのは事業の専門性を高めることにより、コングロマリットディスカウントを避けることにあります。


その背景には、デジタル経済の進展で変化のスピードが増す中、現在の組織体制の下では経営として意思決定が遅れてしまうことが掲げられると思います。経営者による機動的な経営判断の遅れが、事業が持つポテンシャルを引き出すどころか、業績がいま一つ伸び悩んでしまう結果となってしまっているのでしょう。巨大組織という体制上の問題が掲げられます。


また、投資家サイドからみれば事業部門ごとの投資計画や事業戦略が分かり難いという問題も内包していることから、それを明確にして情報開示をしていこうとする企図もあることでしょう。組織体制上の問題と情報開示上の問題は、表裏一体として捉えることも出来るでしょう。素人目で見ても、組織規模が小さい方が意思決定も早く、小回りが利くと思います。


東芝などを見ても、不祥事が相次いだのは業績悪化を覆い隠すためであり、それは一重に事業環境のスピードについて行けず、経営判断が遅れたことに起因するものだと思います。組織体制が巨大であればあるほど、これまでの様に少品種大量生産型の規模の経済を享受して来れた時代とは異なり、これからの多品種少量生産型の事業環境にはそぐわないでしょう。


規模の経済を追求していれば、材料調達面や製品量産面におけるコストダウン効果を享受して来れましたが、そのメリットを追求できないのであれば敢えて組織体制の規模を追求する必要がなくなり、むしろ経営を執行する上での弊害ばかりが目立つようになるでしょう。この流れはまだ緒に付いたばかりであり、これからの時代のスタンダードになると思います。


今日もありがとうございます!
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