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「ANAあきんど」のみかん農園!

皆さん、おはようございます!
慣れ親しんだことばかりに安住してはなりませんが、やはり自分の目利き力や経験知を活かせる領域を基盤とし、そこに新たな学びや経験を積み上げながら自分ならではの境地に駆け上がっていくことが大切だという思いに至っています。これが守・破・離なのでしょう。



長引くコロナ禍による私たちの巣篭もり生活にも疲れが見えてきたタイミングで緊急事態宣言が解除され、人々は堰を切ったように外出するようになったと思います。街を行き交う人々の流れも増え、出張で地方に向かう電車も空いている席より埋まっている席の方が圧倒的に増えてます。まだ予断を許しませんがアフターコロナを見つめる時期かもしれません。


徐々に経済が正常化に向かいつつあるとはいえ、まだまだ国境を超えた人々の往来制限や本格的な観光需要の回復には至っていないようです。今回のコロナ禍の影響を真面に受けた業界に位置する企業ほど、死活問題から脱するべくビジネスモデルの転換を余儀なくされており、時代の過渡期による事業改革と相まって、社会が大きく動き始めている予兆がします。


外食、旅行、小売りなど、未曽有の売上減少の影響を受けている会社は何処も待ったなしの状況で、業態転換、大幅な社員の出向、事業再編、新たな事業創出など、事業再構築に取り組んでおりこれから本格化してくるものと思います。最近では、情報システム化にも乗り遅れた旅行会社のJTBが起死回生の大胆なリストラ策を講じていることに触れてきました。


その様な中で、ナショナルフラッグキャリアである大手航空会社のANAホールディングスが愛媛県でみかん農園の経営に進出するそうです。同社の2021年4~9月期連結営業損益が1100億円前後の赤字(=前年同期は2809億円の赤字)になっています。赤字幅は前年同期比では約6割縮小していますが、旅客需要回復の遅れが大きく影響しています。


売上高は、前年同期比5割増の4300億円前後だったようですが、コロナ禍前の2019年4~9月期に比べ4割の水準に留まっています。年間で最大需要期である7~9月の旅客実績が期初予測に届かず、想定では国内線で2019年7~9月期比15%減、国際線は実に同80%減です。そんなANAにとって、みかん農園はどの様な意味を持つのでしょう。


その答えは、ANAホールディング傘下でみかん農園事業を営むことになる「ANAあきんど」の存在に隠されています。ANAあきんどはANAホールディングスの事業再編により生まれた子会社企業であり、それまでのANAセールスが担っていたチケット販売業務、ツアー販売業務などを会社分割により承継し、今年の4月1日に設立された新会社なのです。


ANAあきんどは、これら航空券などの販売事業の他にも地方創生事業を経営の柱として掲げています。その一環として、人口減少、高齢化の進行著しい愛媛県の一次産業であるみかん農園の廃園をしない仕組みを構築すべく「ANA農園プロジェクト」を全国に先んじて始動した訳です。地域一次産業の活性化により、最終的に航空収入も拡大するとの狙いです。


貨物需要が増えれば、交流人口も増え、旅客便の需要が増えるという考えです。また、みかん農園にはANA社員が常駐しますので、本業の航空事業で余剰となった人員の雇用対策にも繋がる訳です。収穫されたみかんは、国内線プレミアムクラスの機内食として提供する他みかんを活用した新商品開発も計画しており、農園需要喚起にも繋がる三方よしなのです。


今日もありがとうございます!
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