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大和ハウスの米戸建事業買収!

皆さん、おはようございます!
中小企業の経営者というものは、理念を持ちビジョンを描きながらそれを実現していかなければならない宿命です。限られたリソースを効率よく配分しながら最大の果実を得るべく努力し続けています。大切なことは、如何に風通し良く人的資源の力を引き出すかでしょう。



大和ハウス工業は、米住宅会社エイベックス・ホームズ(=フロリダ州)の戸建住宅事業を買収します。買収額は100~200億円の間であると見られています。国内住宅市場が伸び悩む中、住宅着工が旺盛な米国市場での地盤拡大を急いでいます。住宅事業のような内需産業の代名詞といわれる事業を買収することで、どの様なメリットが得られるのでしょう。


具体的には、大和ハウスの米子会社スタンレー・マーチン(=バージニア州)がエイベックスを取得します。エイベックスは東海岸最大の戸建住宅市場であるフロリダ州を営業地盤としており、年間200戸超の住宅を販売しています。売上高は約62百万ドル(=約68億円)です。エイベックスの1戸当りの平均価格は土地代を含め3千~4千万円が中心です。


中間価格帯の品揃えで、結婚や出産で住宅購入を検討する20代後半から40代のミレニアル世代を取り込んでいます。エイベックスは、フロリダ州で約4700戸分の分譲住宅地を管理しており、その基盤を活かせば今後の販売戸数の伸びも期待できるとしています。大和ハウスは、同社の買収で2021年の米国戸建販売数が6000戸になると計画してます。


2026年までに1万戸の販売を目指しており、目標達成が数年早まるものと予測しています。大和ハウスは、米国で戸建住宅会社の買収を重ねて来ていますが、その狙いはやはり減少する国内市場での販売戸数を補うべく、海外市場を獲得することにより数合わせを図っているようにしか見えません。これも株式を上場する大手企業としての宿命なのでしょうか。


大和ハウスといえば、その社名に工業という文字を冠しているように、住宅という建物を工場で生産し原価を落し、品質を高めることを最大のリソースとしています。しかし、同社の米国市場進出では、工業住宅を米国内で生産する訳でもなく、日本からの輸出も運送コストを考えますと現実的ではなく、米国市場を買収しても相乗効果を見出すことが出来ません。


今回の買収では、せいぜい現地子会社同士で住宅設備や資材を共同購入したり、現場での工期を短くし人手不足にも対応する施工技術を共同開発したりすることではないでしょうか。
もしかしますと、米国市場で一定の販売戸数を獲得した後に、国内と同様に工場を設置して工業化住宅を提供していくという青写真を大和ハウスとして持っているのかもしれません。


何れにしましても住宅という耐久消費財の極めつけを主軸に据えて商売を営んで行くことは自動車メーカーとは異なり、販売商品のリピート購入が利きませんので、なかなか将来を描き難い事業だと思います。時代の流れからしますと、工業化製品より匠の技を持つ職人の顔が見える住宅の方が消費者にとって製品に対する愛着が湧くのではないかと思えてきます。


むしろ住宅メーカーは、住宅という商品を販売するという概念を捨て去り、ライススタイルを提案する総合生活産業へと転換すべきではないかと思います。住宅という生活して行く上で不可欠なプラットフォーム上に有形無形の生活に必要なサービスを提供して行ったら面白いと思います。その時に、オフグリットやIoTといったインフラも望まれると思います。


今日もありがとうございます!
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