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バンカーの目利き力とシステム化!

皆さん、おはようございます!
長年サラリーマンを生活を送っていた先輩が、定年退職を機にまずは個人事業者として独立を果たし、お客様から初めての契約を得ることが出来ました。独立を大袈裟に考える必要はなく、今まで培ってきた経験を活かし自信と信頼を持ってお客様に接すれば良いでしょう。



銀行が企業に融資を行う時に、財務諸表などに基づき審査を行い信用力を諮ることを与信審査と言います。最近は、銀行も業務の効率化と標準化するためにスコアリングと呼ばれる、財務指標の状況に応じて指数を割り当て点数化する機械的な与信審査方法が一般化しています。銀行員個々人の審査能力のばらつきを平準化する意味では仕方ないことだと思います。


銀行業の核となる事業資源は、融資を行えるかどうかという審査能力であることは言うまでもありません。銀行の本業は、融資を行い利ザヤを稼ぐことにあり、お客様に対して融資が出来るかどうかを判断しリスクテークするものです。どんなに時間を掛けて融資先の審査を行ったところで、結局は誰にも将来がどうなるかは分からないのが正直なところでしょう。


ましてや事業を対象として融資を行うなんて、生き物を相手にするのと同じことですので、
最後は経営者が持つ志の高さとそこで働く社員のモチベーションの高さに依存するものだと思います。その上で、どの様な事業資源を持っており、それを活かしてどこへ向って行くのかが明確になっており、実直にご商売に取り組んできた結果としての信用力がある訳です。


所詮、財務諸表というものは過去から連なる現在のお金の流れを映し出すレンズの様なものであり、それを如何に社会や事業環境と関わらせて明日を見通すかという目利き力が大切なんだと思います。いまの銀行は、巨大な組織システムと化しており、銀行員の業務も標準化され過ぎてしまい、このバンカーとして不可欠な目利き力が失われてしまっているのです。


オリックス傘下の融資関連サービス会社、アルトアは決算書ではなく「帳簿データ」をもとに企業の信用力を判断するシステムを金融機関に販売をはじめるそうです。第一弾として、りそな銀行が法人ローンの与信審査に導入することを決めています。アルトアは、オリックスとオリックスの子会社である会計ソフト大手「弥生」が共同出資により設立しています。


企業をより細かく分析できるシステムを通じて金融機関の取引先拡大を後押しし、自社の収益拡大につなげる考えです。新しいシステムでは、企業の帳簿データを人工知能(=AI)で分析し、日々の資金の出入りから信用力を判断する仕組みです。帳簿データは膨大な情報が記載されており煩雑ですが、事業活動をAIで細かく把握できるメリットがあります。


従来の決算書に軸足を置く審査手法では、信用力が低いと見做してきた企業とも、取引を広げられる可能性があるものとして期待されています。決算書を財務指標に当て嵌めて融資審査を行う紋切り型の方法では見逃されてきた企業へも、細かく資金繰りの動きを把握できれば掘り下げて信用力を査定でき、銀行にしても新たなお客様の間口を広げられるでしょう。


但し、ここでいう信用力とは、資金ショートを起こし事業が行き詰ってしまう可能性という狭い意味で理解されています。本来の信用力とは、広くお客様や取引先からの信頼ですのでその様な信用力が高く、役職員の志の高い企業に対しては、金融機関も積極的にリスクテークを行い、お客様企業と共に事業を発展させていくという気概を持つ必要があるでしょう。


今日もありがとうございます!
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