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ファイナンスは暖簾のためにある!

皆さん、おはようございます!
ビジネスに携わってきて大切だと思いまのは、やはり人間により創出されるアイディアや考えという「英知」だと思います。それは人間の持つ経験知を人々が共感し合うことによって生み出すものです。それにより将来にわたり希望の持てる社会を築き上げられるからです。



暖簾(=のれん)と聞き思い付くのは、老舗企業の店舗の正面に吊り下げられた屋号などの模様をあしらった布製の看板でしょう。欧米、アジア、中国でも見かけることのない日本独特のものであり、歴史を遡ると室町時代に商家がそれぞれ独自の意匠を入れはじめ、民衆に対して屋号や業種などを知らしめるメディアとしての機能を担うようになったといいます。


今でこそ、流石に暖簾を架けている会社は少なくなりましたが、暖簾とは会社が歴史の中で培ってきた「信用」というものを化体したシンボリックなものであることは、誰しもが理解している所だと思います。実物としての暖簾の有る無しに拘わらず、事業を営んでいく為にはこの信用力としての無形資産である暖簾の存在が不可避であるものと受け止めています。


今日における無形資産としての暖簾には、ブランド力、ノウハウ、品質、販売網、アイディア、戦略、人的資源、地理的優位、経営人などにより構成されるものであると概念化されています。何れも一朝一夕で築けるものではなく、人間の英知をもって時を刻みながらお客様や取引先といった社会と事業という関わりの中でゆっくりと認められるものだと思います。


この無形資産としての暖簾に関心を持つようになったのは、M&Aを手掛ける様になり対象となる会社若しくは事業の買収価額とその貸借対照表に記載された資産総額の乖離に素朴な疑問を持ったからです。確かに買収価額と言うものは、売主と買主とが合意した金額で決定されるに過ぎませんが、買主が買収対象に何らかの暖簾を見出していると言えるでしょう。


コーポレートファイナンスの考え方から暖簾は、時価純資産額(≒買収価額)と資産総額の差額として理解されています。貸借対照表の左側には事業に必要な資産としての資源が事細かく記載されていますが、それらを如何に有機的に結合させて社会に求められている製品やサービスを提供するビジネスモデルにしていくかを考えるのが正しく人間の英知なのです。


事業として確立させ継続的に営む過程で為される改善、再構築を通して創出されるものを併せ暖簾ということが出来るでしょう。その様に考えますと、貸借対照表は何を目的として表現するものであるのかを考えることが、それ以来の私の探求の出発点です。会計理論の理解では、貸借対照表は飽くまでも適正な損益計算を行うための経過勘定と位置付けられます。


しかし、会計の歴史を紐解きますと、最初の頃は貸借対照表が会社の財産状況を表すものとして中心的な財務諸表と位置付けられています。それから長き時間を経て、これからの時代を展望しますと、やはり会社が創出する暖簾というものが注目されるのではないかと思います。現在の会計理論の枠組みでは限界がありますが、社会がそれを期待しているでしょう。


これからの会社乃至事業は、社会の期待に応えて存続価値が認められるものです。それは単なる個々の簿価資産という塊ではなく、そこに如何に人間が持つ英知によって暖簾という意味ある息吹をもたらし、社会に必要な商品を提供することだと思います。その為には、これからの私たちが如何に創造力を発揮させて、共感により経験知に昇華させることでしょう。


今日もありがとうございます!
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