誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

横浜銀行ときらぼし銀行の連携!

皆さん、おはようございます!
日々慣れ親しんだ生活習慣を変えることは容易ではないと思います。ただ、それも生活が今までよりも便利になったり、楽になるのなら話は別でしょう。携帯電話なんかは良い例だと思います。しかし、これが人類の存続に多大なる危機を与える事象ならどうなのでしょう。



横浜銀行ときらぼし銀行は、東京都と神奈川県での中小企業向け融資で業務提携することを発表しています。新型コロナウイルス禍を契機に、中小企業の事業再編や資本増強の需要が高まるとの判断から、互いに首都圏で凌ぎを削る間柄でありますが、中小企業向けのストラクチャードファイナンス(=仕組み金融)や資本性劣後ローンの分野で手を組むそうです。


具体的には、買収時に相手先企業の資産や収益力を担保に融資をするLBO(=レバレッジドバイアウト)ローンというストラクチャードファイナンス、および一部が資本として認められる資本性劣後ローンです。情報化社会への対応、不採算事業の売却、ならびに事業承継など、中堅・中小企業でも今後M&A(=合併・買収)の案件増加が見込まれるからです。


通常の融資に比べ、専門性や複雑な手続が必要となるストラクチャードファイナンスは、地方銀行にとって手間が掛りノウハウ不足が否めないところですが、一般的な融資とは異なりオーダーメードでローンの仕組みを組成することから、金利以外にも様々な手数料を報酬として得ることができ、高い収益を見込めることから触手を延そうと考えているのでしょう。


横浜銀行もきらぼし銀行もともに、2019年にストラクチャードファイナンスの専門部署を立ち上げていますが、恐らくメガバンクのOBによる少数のこじんまりとした部署ではそんなに多くの案件を手掛けているとは考えられず、それ以前に手掛けるほどのファイナンス案件がないに等しく、ノウハウの蓄積にも至っていないでしょう。だからこそ傾注したい。


この専門的ファイナンス領域はメガバンクの独壇場であり、それこそ上場企業を初めとする大手企業を主戦場として多額の報酬を得て来ています。最近でこそ、首都圏ではメガバンクも中堅・中小企業にまで触手を伸ばし始めていますが、ストラクチャードファイナンスの手間の割に1件当たりの報酬が少額となることから、本格参入するとは考え難いと思います。


その様な銀行間勢力図の中で、横浜銀行ときらぼし銀行が自らの顧客を対象とし、中堅・中小企業の事業再構築によるM&Aを念頭に置いてストラクチャードファイナンスに取り組むことは、中堅・中小企業にとっても新しい金融商品を手にする事になり、経営戦略の選択肢が広がることになります。だからこそ両行が手を組み規模の経済を追求したいのでしょう。


中堅・中小企業は、M&Aを行うにも資金余力がありません。買収先の企業自体を担保にローンを受けられるなら、そんなに好都合なことはありません。ただ問題は、折角、ストラクチャードファイナンスという新たな手法が存在するとはいえ、その様なストラクチャーを描き事業再構築を進められるファイナンシャルアドバイザーは一握りしかいないと思います。


運良く、その様なファイナンシャルアドバイザーと巡り合っても、それだけ手間が掛る事業再構築となりますと、ストラクチャードファイナンスと同様に報酬が高額となってしまう懸念があります。その解決策として、地方銀行もファイナンシャルアドバイザーも案件を推し進める自信があるなら、インセンティブ報酬として顧客企業の株式を得ては如何でしょう。


今日もありがとうございます!
http://crelife.co.jp

×

非ログインユーザーとして返信する