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帝国ホテルとホテルオークラ!

皆さん、おはようございます!
人間はとかく今までの慣習に捉われて行動しがちだと思います。これまで経験してきたことの中から、成功体験に基づき判断しているのでしょうが、これからの社会は必ずしも今までの価値観や判断規準が通用しなくなるとしたら、どこに拠り所を求めれば良いのでしょう。



コロナウイルス禍を背景とした不要不急の外出や、海外からの旅行者の入国が厳しく制限されるなか、観光業界の何れの企業も大きく打撃を受けて大幅な減収減益を余儀なくされています。その様な中、日本を代表するホテル各社のみがアフターコロナを見越した新規出店に向けた先行投資を急いでいる様です。中でも帝国ホテルは約3千億円に迫る投資計画です。


旗艦施設の帝国ホテル東京の老朽化する建物を建て替え2036年度に一新する他、京都へのホテル進出を決めています。プリンスホテルや近鉄グループホールディングスなど、他のホテル会社が新型コロナウイルス禍の苦境に耐えきれず、土地や建物の資産の売却を打ち出す中で、帝国ホテルの逆張りの拡大戦略からは老舗の焦りもにじみ出ている様に見えます。


ホテルオークラは2022年1月に京都市内に高級ホテル「ホテルオークラ京都 岡崎別邸」を開業します。「オークラ」ブランドの新規出店は国内で20年ぶりだそうです。何れのホテルも、新型コロナウイルスワクチン接種が進めば、訪日外国人客を含む観光需要は回復するとの判断に基づいています。ワクチン接種が進む欧米諸国の動向を見てのことです。


それでも、国内に新規開業予定の主な高級ホテル進出計画を見てみますと、東京、京都、沖縄に集中していることが見て取れます。帝国ホテルやホテルオークラ以外にもウォルドーフ・アストリア(=2026年開業予定、東京)、ブルガリホテル(=2023年同、東京)、ヒルトン(=2023年、沖縄)等、底堅い立地を厳選して進出しているようです。


考えてもみれば、帝国ホテル東京の現在の建物は1970年に竣工しており、既に建築後50年余りを経過している訳であり施設の老朽化が否めないのでしょう。競合のホテルオークラ東京は一昨年に高層タワーホテルとして新規オープンを果たしていますので、地団駄を踏む思いだと思います。高級ホテルにとって生命線はブランド力を高め続けることですから。


しかも、欧米の高級ホテルが続々と日本へ進出してくる中で、顧客獲得競争が一段と高まって来ることは避けては通れません。日本の高級ホテル御三家の一角として、打って出ざるを得ないというのが正直なところではないでしょうか。ホテルオークラの後を追う様に京都への進出も決めた帝国ホテルの意図はその様な所にある様に見て取ることが出来るでしょう。


但し、心配なのがホテル業態というものは、商売としてそんなに高い収益力を持つ事業構造ではないということです。確かに帝国ホテルの目論みとしては、現在4万円弱の客室平均単価を上げていくことを考えている様ですが、3000億円もの投資回収を行っていくには数十年単位の期間を要することになります。そこが帝国ホテルにとっての生命線でしょう。


日比谷という一等地の土地の含み益を利用して投資資金の調達は難なく行えると思います。
本来、ホテルはその運営力に蓄積されたノウハウを持つものであり、そのノウハウを活かすのならば、運営受託という形で営業拠点を増やしていくべきだと思います。ホテルという不動産への投資は、その道のプロに任せるという考え方をしても良いのではないでしょうか。


今日もありがとうございます!
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