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100均事業の本質!

皆さん、おはようございます!
栄枯盛衰、事業も未来永劫、成長していけば良いのですが、その為には事業環境に合わせアメーバーの如く自由変化にその身を変えていく必要があります。それは事業を人が司っている以上、それに携わる人々が組織という壁を乗り越えて柔軟な発想を持つ必要があります。



100円ショップのセリアが同業他社をしのぐ10%を超える売上高営業利益率を出しているそうです。同社が株式を上場させていること自体認識しておらず驚きなのですが、小売業界の中で10%以上の利益率を叩きだしている企業で思いつくのは、ユニクロを運営するファーストリテイリング(=2021年8月期の予想で12%)位しかないかもしれません。


その秘密は、統計学に詳しい元銀行マンの社長が自ら主導し考案した、発注支援システムにあるようです。アルゴリズム(=計算可能なことを計算する、形式的な手続きのこと、あるいはそれを形式的に表現したもの)で売れ筋の商品を解析する発注支援システムにより、機動的に売れ筋商品を入れ替え、客足を途切れさせないようにしていることにあるようです。


同業であるキャンドゥの営業利益率2%(=売上高730億円、店舗数1057店)、ワッツの同3%(=売上高527億円、同1240店)に比べても、セリアの売上高2006億円、同1787店、時価総額3117億円は群を抜いています。デフレ経済下で成長した薄利多売の業態をビッグデータで儲かるビジネスに変えているということが出来るでしょう。


DX(=デジタルトランスフォーメーション、ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させるという概念)ではありませんが、ビジネスの場面で情報技術を取り込むことにより、いままで人間の感覚に頼切っていたマーケティングなどの機能を、より精緻に科学的に分析して行くことも、ビジネスモデルの一端として不可欠なのかもしれません。


しかし、気を付けなければいけないのは、余りにも情報技術に頼り過ぎてしまい、売れ筋に商品が偏り過ぎアイテムが絞られてしまいますと、お客様が店舗を回遊しながら見て楽しむ
小売業本来の目的を失ってしまうことです。それはセブンイレブンをはじめとするコンビニエンスストア業界の成りの果てを見てみれば火を見るよりも明らかではないかと思います。


100円ショップというビジネスの本質は、お客様からみて買回り品を100円均一という安い価格で購入できる満足感にあると思います。しかも、1店舗当たり1万5千点から2万点という膨大なアイテムの中から自分が欲しいと思う商品を選んでいく楽しみがあるからでしょう。これだけの店舗としての「市」は、小売業界の中でも他にないものだと思います。


本来「市」というものは、多くの個人事業者が各々個性的な商品を持って寄り集まり、総体として様々な商品アイテムが取り揃えられる所に、またそこで繰り広げられる人々の活気が市場としての雰囲気を醸し出し、楽しみを覚えるものだと思います。しかし、いまの時代に「市」は形を潜めてしまい、それを代替する様に小売業が業態を開発し興隆を極めてます。


「市」であれば多様な出店者によりリスク分散されていたものを小売業が自前でリスク全てを負担し店舗で事業展開している訳です。その店舗のリスクをどうコントロールするかがプロとしての小売業のノウハウになります。その結果としてお客様は安心して店舗=市に買い物に行く訳ですので、小売業も本質を見失わず日夜ノウハウを磨き続けることが必要です。


今日もありがとうございます!
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