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西武ホールディングス!

皆さん、おはようございます!
ビジネスに関する経験が不足する22歳になる若者から、1本の連絡がありました。いま行っている3つのオンライン事業を統合し、ビジネスを拡大していきたいとのこと。これから様々なノウハウやスキルを積み上げながら、事業とともに成長して行くのが楽しみです。



西武ホールディングス(=HD)は2022年3月期からの中期3ヶ年経営計画の中で、子会社のプリンスホテルについてホテルの運営に専念する方針を示しています。同社が所有する土地や建物などの資産は、外部への売却やグループ内の企業へ移管する計画です。西武HDは2021年3月期に過去最大の連結最終赤字となっており、業績の改善が急がれます。


具体的には「ザ・プリンス パークタワー東京」を初めとする都心ホテルを中心に、不動産を売却した上で運営を受託する方法を検討しており、2021年内に対象となる物件を選定する予定です。新型コロナ禍の影響でホテルの稼働率が落ちており、建物の維持管理などのコスト負担が重くなっています。不動産の売却や再開発で収益の改善を図りたい考えです。


西武HDの2021年3月期連結決算は最終損益が723億円の赤字(=前期は46億円の黒字)で、過去最大の赤字幅となっています。鉄道収入が落ち込んだほか、ホテルの稼働率も低迷しています。売上高は前期比39%減の3370億円と過去最低です。2022年3月期は売上高4560億円、最終損益50億円の赤字と2期連続での赤字を想定してます。


この様な状況の中で、西武HDの株価はコロナ禍前には2000円/株で安定的に推移していたものが、直近では1000円/株(=時価総額3846億円)に落ち込んでおり、1株当たり純資産の何倍の値段が付けられているかを見る投資尺度である株価純資産倍率(=PBR)が1.19倍と、競合する東急グループと比べても見劣りする内容となっています。


西武と東急の渋谷戦争ではありませんが、堤康次郎率いる西武と五島慶太率いる東急の戦いは有名です。結果的に東急が覇者となっていますが、西武の敗因は堤康次郎亡き後の事業を鉄道事業を堤義明に、そして流通事業を堤清二に分割してしまったことにあるでしょう。両者が手を組んで事業を営んでいたら、いまとは全く異なる事業体になっていたと思います。


西武HDとして、どの様に起死回生の復活を遂げるかに注目されるところだと思います。鉄道事業というものは不動産開発が主要事業となりますが、西武HDには東急不動産の様な中核となり得る不動産会社を持っていません。西武プロパティなる会社を持ちますが、まだまだ力不足が否めません。所有する不動産をどう有効活用して行くかが鍵になると思います。


その意味で、プリンスホテルが所有する企業価値として顕在化していない不動産を外部へ売却、若しくは再開発により有効活用することは理に叶っていると思います。ホテル事業というものは、もともと使用する不動産に対する運営利益の利回りは低いものです。本来、余程不動産の簿価が安くない限り、不動産を所有してホテル事業を行うべきではありません。


立地特性に合った用途で不動産を活用してこそ、企業価値を最大限に引き出すことが出来ます。ホテル事業として利益を追求して行くならば、それは運営拠点を増やしスケールメリットを追求することになりますので、プリンスホテルが運営受託事業に専念することも正しいと言えます。資本を寝かせずに如何に資金循環を高めるかが企業価値経営の肝になります。


今日もありがとうございます!
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