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事業リスクをマネージする!

皆さん、おはようございます!
先輩とともに浅草橋にある喫茶店に訪れてみました。昔ながらロッジをイメージしたその佇まいには、私たちが忘れつつあるサードプレースとしてのコミュニティが残っています。夕方になりますと、どこからともなく常連さんたちが集まってきて話しに花が咲きだします。



事業を営むということの本質は、事業のリスクを如何にマネージするかにあると思います。ここでのリスクの概念は、一般に捉えられている危機や危険というネガティブな意味ではなく、もっと積極的な意味での「将来の不確実な事象を勇気をもって試みる」という、リスクの語源であるラテン語のrisicareになぞらえて捉えていることに留意して下さい。


事業は広く社会に求められているものを事業主体が消費者に成り代わって、その経験知(=暗黙知)にまで凝縮されたスキル、ノウハウ、技術によって、モノや情報といった媒体に化体した商品(=製品、サービス)を創り上げ、提供していくことにあります。自給自足労働の世界であれば、消費者自ら必要なモノやコトを創り上げ、自ら利用することも可能です。


しかし、そんな自給商品よりも、もっと一定の商品の生産に長けた人に作ってもらう方が、商品の質も良くコストも安く効率的であることから、分業体制が広まることに至ったと思います。当初は物々交換により成り立っていた社会も、貨幣という文明の利器が生み出されることで、やがて貨幣を媒介とした交換取引が興隆し、いまの貨幣経済へと移行しています。


その一定の商品生産に長けた事業者は、商品の生産提供という長年培ってきたスキル、ノウハウ、技術という経験知を拠り所として、磨き上げられてきた専門性によって他者を寄せ付けないクオリティ、生産性といったリスクをマネージしながら商品の付加価値を高め続ける存在だと思います。言い換えれば、リスクに対する目利き力が事業の源泉となっています。


リスクに対する他者を寄せ付けない目利き力をもってして、そこに正当な利潤としてのベネフィットを享受できるのだと思います。例えば、パナソニックの創業者である松下幸之助然り、本田技研工業の本田宗一郎然りだと思います。彼らは、創業当初、自らものづくりに携わっており、その需要が飛躍的に増えたことから、事業として組織化を図ってきています。


事業に関わる人が増え組織化されていきますと、創業者が持つ経験知を組織に根付かせ、他の人に共有していく過程を踏むことになります。そこでは、人心を掌握しながら創業者の経験知を標準化し汎用的に使えるようにして行かなければなりません。そこで事業組織として人財マネジメントなるものが必要になるのですが、ややもするとその形骸化が否めません。


あくまでも人財マネジメント以前の問題として、商品を生み出すリスクに対するマネジメント力が根源にあって然るべきでしょう。また、組織的な事業運営に移行しますとリスクも派生的に、在庫リスクや為替リスクなどをも含む概念として認識されるようになるのですが、
大切なのは経験知を源泉とする独自商品を提供するリスクに対する目利き力だと思います。


今日においては、商品をモノという媒体に化体するだけに留まらず、情報という媒体に乗せて化体するように、その選択肢が広がりを見せています。何時の時代にあっても変わらないのは、人間のもつ英知によって商品が創出されるものであり、それを需要する者との間に人間臭い信頼関係が成り立っていることが不可欠であることを忘れてはならないでしょう。


今日もありがとうございます!
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