誰にも聞けない経営財務戦略!

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CRE戦略!

皆さん、おはようございます!
よく事業を展開するに際して不足するノウハウは、外部から人財を雇い入れれば良いと考える経営者を見受けます。大企業ならいざしらず、創業企業では経営者自ら出来ないところまで事業領域を広げてはなりません。経営者のスキルが及ぶ範囲で事業を営むべきなのです。



あまり馴染みがないかもしれませんが、CRE(=Corporate Real Estate)戦略とは「企業が活用する不動産について、企業価値向上の観点から経営戦略的な視点に立って見直しを行い、不動産投資の効率性を最大限向上させていこうという考え方を示すもの」と定義されています。企業の不動産を活性化させることを通して、企業価値の最大化を目指すものです。


いま法人や個人、国や地方公共団体などが保有する国内の不動産は総額約2500兆円にのぼります。そのうち、法人企業が保有するのは約470兆円と、全体の2割近くを占め、CRE(=企業不動産とは、企業が事業を継続していくために保有もしくは賃借している全ての不動産を指します)の動きは国の経済活動を左右する大きなファクターとなっています。


CRE戦略を推進することは、日本企業を強くすることです。日本企業は欧米企業と比較すると不動産を約2~3倍も保有していると言われています。つまり、同じ製品やサービスを提供するのに必要な不動産が日本企業の方が多く、生産性が劣るとされているのです。欧米企業では、経営戦略においてCRE戦略を重要な取り組みの一つとして認識されています。


CRE戦略により、不動産を効率的に活用することは、日本の競争力強化のために必須となるばかりか、各々の企業における中長期的なビジネスの成長や強化にも役立てることができます。日本では、多くの大手不動産会社が持てる不動産ビジネスのノウハウを活用して、付加価値の高いコンサルティング事業として確立し、ソルーション提供を展開しています。


企業不動産を本業で活用したり、売買や賃貸借をしたり、有望なビルや事業に投資したりして、利益を得ることはもちろん、様々なメリットを追求するものです。今までの日本企業は土地神話により不動産を持つことに重きが置かれていましたが、ただ単に不動産を保有するだけでは何も価値を生みません。それをどう有効に活用していくかが問われているのです。


ただし、大手不動産企業が提供するソルーション内容をつぶさに見ていましても、確かにアセットとしての不動産をどの様に効率的に活用していくかという提案に終始しており、CRE戦略の目標である企業価値向上については、ROA(=総資産利益率)やROE(=自己資本利益率)といった財務指標を改善することに留まっていることが残念に思われます。


もう少し、ファイナンス理論における企業価値算定手法と融合させることにより、アセットである不動産の有効活用によって、どの様に企業の経済的価値を高めることに繋がっていくのかという道筋をもソルーションとして明らかにすべきと思います。企業の経済的な価値に反映されていない不動産を顕在化させる他、増分利益を資本還元することも必要でしょう。


そうは言いましても、企業目的は社会との関係の中で、企業理念に基づくいかに付加価値の高い商品を提供していくかにありますので、金銭的なメリットを享受するために闇雲に持てる不動産を有効活用すれば良いというものではありません。その不動産の有効活用の結果、社会にどの様なインパクトをもたらすかという視点での課題解決であって欲しいものです。


今日もありがとうございます!
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