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企業価値経営とは!

皆さん、おはようございます!
よく大田区の町工場へお伺いさせて頂きます。まるで長屋のように軒を連ねる町工場が「仲間まわし」というアライアンスにも似た連携関係により成り立っていることを知りました。この地域がものづくりで名高いのは、あたかも地域全体が一つの工場だからなんですね。



これまで企業価値経営といいますと、いかに資本生産性を高め企業の経済的価値(≒株価)を最大化すべく経営を行っていくかということに目を奪われがちだったと思います。もちろん事業を営む上で、これからも資本を無駄なく生産性を高めていくことに越したことはありませんが、それだけを経営目的としていてはやがて企業として立ち行かなくなるでしょう。


ジャック・ウエルチ率いた米国を代表する大手メーカーGEが、支配する事業の市場シェアNo.1を旗印に経営資源の集中と選択を進め、株式時価総額最大化を欲しいままにしていた過去の栄光は影を潜め、いまは没落の一途を辿っていることを見れば理解できることと思います。企業というものは、経済合理性のみを追求すれば良いというものではありません。


従来の企業価値経営の教科書によれば、会計数値を駆使しながら企業の競争力や企業行動を解析するファンダメンタル分析に主眼を置き、実際にファイナンスの理論やツールを活用して企業価値を算定する手法を提供してくれます。しかし、企業が社会との関わりの中で存続していく主体であるという意味では、資本以外の価値を見出していく必要があるでしょう。


企業が存続していく為には、形振り構わず経済合理性を追求することに終始することなく、社会との関わりの中で持続可能性をも考えて行く必要があります。自然や環境と調和しながら、今まで人類が培ってきた歴史的背景を知り、その上で経済合理性をも加味しながら全体の調和をとっていく経営が望まれます。社会の持続を無くして企業の存続はあり得ません。


その意味では、これからの企業はお金としての資本の生産性を高めるのみならず、社会関係としての資本(=ソーシャルキャピタル)の生産性をも高めて行く必要があるでしょう。社会関係資本とは、人々の協調行動が活発化することにより社会の効率性を高めることができるという考えであり、信頼関係、ネットワークといった社会組織が重要となる考え方です。


言い方を変えれば、「共感」資本と捉えることも出来るでしょう。社会の中で人々が協調していくためには、ある事象に対して共感していることが前提にあります。人々が共感し合った時の力は、社会をも変革していくパワーを持つものです。情報社会の進展が人々をその様な共感を求めあう時代へと導いているのでしょう。共感できる事象に人々が集まって来る。


これを企業活動として捉えれば、企業が提供する商品にただ機能性や利便性があれば良いという時代ではなく、そこに人々にとって受け入れられるストーリーという理念や哲学が必要になっています。企業の仕事についても単に分業化、標準化、専門化を掘り下げるだけでは働く人のモチベーションを高められず、そこにも企業理念との共感が必要となっています。


この様に考えますと、「企業価値」経営をお金としての資本の効率性のみから捉えるのは、もはや視野が狭くなっており、もっと広く社会との関わりの中から捉え直す必要があると思います。その時のキーワードになるのが「共感」という無形の資本なんだと受け止めることが出来ます。今という時代を充分に見極め、来るべき時代を思い描くことが大切でしょう。


今日もありがとうございます!
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