誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

ATMでの合従連衡!

皆さん、おはようございます!
これからは機能性や効率性よりも「共感」できるか否かが重要な意味を持つようになると思います。商品を購入する際にも、会社で働く時にも、その商品の文脈やその仕事が持つ意味が問われることでしょう。量や規模を追求する時代は終わり、共感力が拠り所となります。



金融機関がお客様との身近な接点と位置付けてきたATM(=オート テラーズ マシーン)の運用を合理化しはじめています。長引く低金利で収益が細るなか、ネットバンクの普及によるキャッシュレス化の進展により、利用者の紙幣に対する需要が減少していることが理由です。メガバンクから地銀に至るまでATMを共同運用する合従連衡が進みつつあります。


SBIホールディングスは、2024年を目処に複数の地方銀行のATM運営を共通化する方針を打ち出しています。全国の地銀と資本業務提携する「地銀連合構想」に従って、幅広く地銀に参加を呼び掛けているようです。確かにSBIとしては、自らをホールセラー、地銀をリテーラーと位置付ければ、相互に共存できる面白いビジネス展開ができるでしょう。


地銀は、ネットバンクの尾であるセブン銀行をはじめ、ローソン銀行などコンビニ系インターネット銀行へのATM運営委託に活路を見出しています。セブン銀行が保有するATM台数が大手銀行の保有台数の合計を上回っており、この全国に広がるATM網を活用できれば地銀自らが設備投資までして全国にATMという利便機能を設置する必要がなくなります。


三菱UFJ銀行と三井住友銀行は店舗外のATMを相互開放することを決めており、現状では公正取引委員会での審査を待ちとなっています。ATMの維持費は設置場所の賃料を含め年間約700万円/台とも言われており、メガバンクのATMは過半が赤字状態で運営されているにも拘わらず、生活インフラとしてそれを維持しなければならない宿命にあります。


金融機関のお客様からの預金を融資して利ザヤを稼ぐというビジネスモデルの崩壊が囁かれる中で、コスト削減のため行われてきた店舗の統廃合とATMの積極展開という戦略が完全に裏目となってしまった格好です。これからの金融機関が向かうべき道は、ネットバンキングなどフィンテックといわれるお客様が持つスマホを如何に活用していくかだと思います。


戦後長らく続いた金融機関の護送船団方式により維持されてきた競争なき事業展開でした。1990年代初頭の金融自由化により突如として野に放たれても、それまでに肥大化してしまった会社組織、横並び意識の強い業界慣行において、金融機関各行は資金を唯一の商品とするが余り独自性を見出すことが出来なかったツケが今になって振り掛っている状況です。


独自の新しいビジネスモデルを描こうとしても、もはや自社を存続維持していくことを優先せざるを得ず、規模の経済という合理性を追求することに留まってしまうでしょう。その成れの果ては、無味乾燥な商品を提供する金融機関として、お客様から見向きもされなくなってしまうのではないでしょうか。いまや金融機関の競争相手はIT企業という異業種です。


ATMの合従連衡に留まらず、地銀の再編も取り沙汰されていますが、いま金融機関に求められているのは、お客様にとって有益な付加価値の高いサービスであるはずです。コスト削減にばかり目を奪われていないで、お客様のニーズが何処にあるのかを充分に見極める必要があります。多様な金融商品、事業に対する資金ニーズなど、まだまだ応え切れてません。


今日もありがとうございます!
http://crelife.co.jp

×

非ログインユーザーとして返信する