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地域ナレッジマネジメント!

皆さん、おはようございます!
一般に財務というと資金繰りや資金調達の実務を担っていると思われがちです。財務の意味を広く捉えますと、事業再構築すべくビジネスモデルを踏まえてM&A、事業再生、事業開発を機動的に行っていくものだと思います。資金ばかりでなく人間への目配せも必要です。



ナレッジマネジメントとは、企業が保持している情報・知識と、個人が持っているノウハウや経験などの知的資産を共有して、創造的な仕事につなげることを目指す経営管理手法をいいます。企業の側から見れば、これは企業経営における管理領域のひとつで、生産管理、販売管理、財務管理、人的資源管理、情報管理に続く、第6の管理領域だと言われています。


個人の側から見れば、個人のもつ暗黙知(=経験知)を形式知に変換することにより、企業との知識の共有化、明確化を図り、業務の効率化や新発見という新しい事業や商品の創出につなげることが出来るようになります。組織によって創造される知識は集合知と呼ばれ、イノベーションが求められる企業の間で、そのマネジメントの手法に注目が集まっています。


「個人の知識を組織的に共有し、より高次の知識を生み出す」ということを主眼に置いたナレッジマネジメントを実現する場合、そのフレームワークとして以下の4段階のプロセスが提示されています。これは野中郁次郎先生(一橋大学 名誉教授)と竹内弘高先生(ハーバード大学ビジネススクール 教授、一橋大学 名誉教授)によって提唱されているものです。


1)共同化:個人や小グループの暗黙知の共有、およびそれを基にした新たな暗黙知の創造
2)表出化:各個人、小グループが有する暗黙知を形式知として洗い出すこと
3)結合化:洗い出された形式知を組み合わせ、それを基に新たな知識を創造すること
4)内面化:新たに創造された知識を組織に広め、新たな暗黙知として習得すること


ここで暗黙知とは、自らがさまざまな体験を通して感覚的に得たものです。暗黙知は主観的なものであり、うまく言語化できない場合が多くあり、その意味で経験知と呼ばれることもあります。形式知とは、マニュアル化され組織に共有されるようになった客観的な知識のことです。暗黙知は、形式知化する過程を経て、再び暗黙知に影響する循環過程を持ちます。


また、 知識とは「正当化された真なる信念 」であり、個人と個人の相互作用、あるいは組織と組織の相互作用により、変化・深化・進化していくものであるという考えの下にSECIモデルは構築されています。個人が多くの経験知としての暗黙知を蓄積する、すなわち創造力を発揮することにより、それを組織の創造的形式知として昇華させることが出来ます。


財務が取り扱うのは経営の3要素のうち「カネ」を媒介するものですが、その目的は企業の経済価値を最大化することにあります。それを突き詰めますと、暗黙知や形式知といった無形資産の価値を最大化することに行き着きます。この無形資産を定量化しマネジメントすること、すなわちナレッジマネジメントまでその範疇を広げることが求められると考えます。


財務というのは飽くまでも手段であり、その目的はマネジメントにあると思います。また、マネジメントの対象範囲も、企業内に留めることなく地域と捉え直せば、地域経営という観点からナレッジマネジメントの適用範囲を広げることも可能でしょう。地域の人々が相互に暗黙知を共有しながら形式知化することにより、創造力溢れる地域を創出できるでしょう。


今日もありがとうございます!
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