皆さん、おはようございます！
白いキャンパスにいきなり色を置いていくように、無から有を生み出していくことは難しいことだと思います。そこにはやはり日頃から内面に蓄えられてきた既定の事実に対する素朴な疑問、批判的な視点があって初めてその上に自分ならではの着眼点が持てるからです。

家庭教師の紹介事業を手掛けるトモノカイ（＝東京都渋谷区）は、損害保険ジャパンと連携し、新規事業を準備する企業に専門知識を持つ大学生を紹介するサービスを始めるそうです。新規事業を立ち上げるに際して出てくる課題解決に、学生のアイディアを生かすほか起
業に対する関心を高める狙いもあるようです。全く想像もできない取り組みに惹かれます。

トモノカイに家庭教師として登録する大学生は約２５万人にも達しており、彼らの特技や研究分野をまとめたデーターベースを活用するといいます。新規事業立上の際に生じる課題を解決できそうな知見を持つ大学生を抽出して企業に紹介するビジネスモデルで、５年以内に１００の事業を立ち上げ売上高１０億円を目指すと言いますから立派な事業だと思います。

アイディアが採用された大学生は企業と連携し、実際の立上作業にも関わらすそうです。新規事業のリスクに対しては、損害保険ジャパンが保険提供を担い、事業の収益は企業とトモノカイで分けることを想定しているようです。家庭教師をしている大学生に果たして新規事業という企業が頭を悩ましている問題に対応できるのかというのが一般的な見方でしょう。

そこに敢えて家庭教師の紹介事業を手掛けるトモノカイが敢えて参入していくということは何を意味するのでしょう。しかも、損害保険ジャパンという名門の保険会社までが関与しています。もともと損害保険ジャパンは、車載用ドライブレコーダーと自動車保険を連動した新商品をいの一番に手掛けるなど、その進取性に富んだ企業文化に一目置かざる得ません。

きっと今回のトモノカイとの連携において、損保ジャパンの既存のお客様である新たな事業を立ち上げたい法人企業に秀でた知見を持つ大学生を紹介する役割を担い、その上で新規事業のリスクをヘッジする新種の損害保険をも提供していこうという考えなんだと思います。損保ジャパンにとっては、お客様との深耕を深められ、かつ新たな収益を獲得できます。

大学生の知見が新規事業の立ち上げの場面で生かせるかについては、具体的な課題となるポイントが明確になっていれば、寧ろ何も捉われのない自由な発想で思いもつかないような解決方法を導き出す可能性もあります。特に大手企業においては慣習に捉われやすいと思いますし、中小企業においてもそもそも人財が不足していますので実需が見込まれるでしょう。

特に中小企業においては、産業界全般もそうかもしれませんが、事業開発を担っていく専門人財が圧倒的に不足しています。事業を構想し、事業計画に落とし込み、実際に事業開発をコーディネートしていく必要があります。大学生にそれが出来るかどうかは意見の分かれるところですが、トモノカイの様な方法で外部の専門人財を組織化することが考えられます。

昨今、クラウドワークなどＳＮＳを活用して仕事をサイトでマッチングするビジネスに注目が集まっています。その様なシェアリングビジネスとは異なるトモノカイのビジネスモデルは、必要な人財をアナログで組織化し、その人財のスキルをデータベース化し必要な所に紹介するところに特徴が見出せます。これもシェアリングエコノミーの一形態なのでしょう。

今日もありがとうございます！
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