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ANAの新しいビジネス 1!

皆さん、おはようございます!
旅での非日常体験は様々な気付きを与えてくれます。日頃見ることのない大自然の中に身を置けば、人間の営みの小ささを実感することができます。また、地域の文化遺産に触れればまるでその時代にワープでもしたかの様に当時の人々の営みを理解することができます。



ANAホールディングス(=HD)はビジネスジェットの手配事業について、当初計画に比べて1年前倒しで累損解消を見込んでいることをANAビジネスジェット(=東京都港区)の片桐社長が明らかにしています。新型コロナウイルスの影響で定期便の需要が低迷するなか富裕層の国内旅行や効率的に海外出張をしたい企業幹部などの需要が下支えしています。


ANAビジネスジェットは、ANAHDが51%、総合商社の双実が49%を出資しています。2018年7月の設立時に2022年度に累損を解消し、売上高10億円の達成を目指していましたが、計画から1年前倒しで累損を解消する見通しであるそうです。新型コロナ感染拡大以降のビジネスジェットの成約が好調であり影響前に比べ1割程度増えています。


ビジネスジェットは、お客様に合わせて出発時間やルートを決められ、定期便と異なり機材などの資産を保有しないビジネスモデルを特徴としています。世界的な移動制限で海外への定期便は軒並み運航が減ってますが、工場等の視察で海外出張が不可欠な企業の幹部の需要が高く、またプライベート空間での国内旅行を選ぶ富裕層からの受注も増えている様です。


バブル経済全盛期は、大手企業の多くが節税目的で自家用ビジネスジェットを所有し、幹部社員の国内外の出張時に利用されることが多かったものと思います。ある企業では、社長自らがライセンスを取りジェット機を操縦していた時代です。今は時代も異なり、企業も無駄な資産保有することなく自社でビジネスジェットを所有することも少なくなっています。


大手企業の幹部社員といえば出張時にファーストクラスを利用するのがあたり前であることは、昔も今も変わらぬ事実です。ファーストクラス料金に少しお金を足せば、手軽にビジネスジェットを利用できることも現実としてあると思います。タイムイズマネーの幹部社員にとって、自分の出張の時間に合わせてビジネスジェットを利用できるのも魅力でしょう。


また、政策的にビジネスジェットの利用を促そうと、空港の離発着滑走路使用料や駐機場使用料の価格が下がっていることやビジネスジェット専用の搭乗口が整備され、搭乗にそんなに時間を要さなくなっていることも、ビジネスジェットの利用率を高める要因として背景にあります。ホンダジェットではありませんが、ビジネスジェットの性能もアップしてます。


ANAビジネスジェットのビジネスは、その様な時代の流れを捉えたものであり、定期便運航で培ったノウハウを活かし、固定客の利便性の更なる向上、ビジネスジェットの運航・整備支援を行うものです。機材は双実が強みとするビジネスジェットの販売網やレバレッジドリースのノウハウを活かし、ビジネスジェット専門チャーター運航会社を組織化してます。


ANAビジネスジェットとしては、固定資産として機材の減価償却などの固定費負担をしなくて良い手数料商売ですので、比較的に累損を一掃しやすい手軽なビジネスであると言えると思います。コロナ禍など事業環境に左右されやすいエアーラインビジネスからの脱却を図り新規事業を増やしたいANAHDにとっても、新たな堅実なビジネスへの参入でしょう。


今日もありがとうございます!
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