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企業価値を高めるということ!

皆さん、おはようございます!
火曜日です。今朝は6時過ぎに家を出て市ヶ谷にある事務所に向かいます。その時間は外も既に明るくなっており、春を感じさせる陽気の中を清々しい気持ちでバス停までの道のりを歩けるでしょう。一月前なら辺りも薄暗かったのですが、確実に時を刻んでいるようです。



株式市場のグローバル化により、国内上場会社の株主にも外国人投資家が随分と増えているようです。株式市場に限定せずにしても、上場企業はグローバルマーケットの中で欧米諸国の競合企業との戦いに凌ぎを削り、優位なポジションを獲得すべくM&Aによる業界再編を繰り広げざるを得なくなっています。製薬業界における武田薬品の記憶は未だ新しいです。


グローバルマーケットの中で主要なポジションを築き上げるためには、自社の株式時価総額を最大化することが不可欠となります。その為には、自己資本コストを上回る利益を創出する事業を強化し、それを棄損する事業は売却するという判断が上場企業にとって一般化しているようです。確かにファイナンスの教科書においては、その様な定義を教えてくれます。


スピードが速まる一方の市場環境の中で、上場企業は半ば投資会社であるかの様に、自らの事業を入れ替える再編を余儀なくされていますが、企業本来の目的は事業を通して社会の課題を解決する商品を提供していく必要があります。その為には、事業をじっくりと育て上げていくことも不可欠なのですが、短視眼的な株式市場の要求に屈しざるを得ない状況です。


お金や利益を得ることが目的であるかの様な企業に共感するのは一部投資家のみであり、生活者の感覚から乖離してしまっている現状に、現在の経済合理性を追求する行き過ぎた資本主義経済の限界を感じざるを得ません。企業の存在は、本来、社会に価値を与える(=Give)ものであり、社会から得る(=Take)ことばかりを考えていては本末転倒です。


真の意味で企業価値を最大化していく為には、ヒト、モノ、カネの中のヒトに焦点をあてていく時代であるべきと考えます。人間が持つ五感にも似た暗黙知を如何に組織社会における形式知として地道に積み上げることが出来るか、企業がこれからの社会で生き残っていく為に不可欠な条件でしょう。確かにカネもいる様ですが、それは後から付いてくるものです。


もう少しミクロ的に踏み込んで考えてみますと、企業の理念(=社会的使命やビジョン)というベクトルとそこで働く個々人が持つキャリアプランというベクトルを如何に近づけて行けるかが問われていると思います。情報化社会において、個人の価値観は益々多様化をしていくと思う一方、企業は益々経済合理性という不毛の果てしなき目標を追い求めています。


これでは両者のベクトルが拡散してしまい、企業組織としての力が損なわれてしまうでしょう。だから、最近の多くの企業はイノベーションも起こせず混沌としてしまっていると受け止めています。企業はいま一度、自らの理念を再確認し、明確に打ち出していくべきだと思います。その理念に共感する働き手個々人が集まれば、エネルギーが満ち溢れるでしょう。


働き手も自らのキャリアプランに少しでも近づくべく、副業や兼業に触手を伸ばしている現実もありますが、それ自体は人間として自然な行動だと思います。寧ろ、これら個々人の目標を実現すべく、企業との関係も柔軟にしていかなければなりません。その時に、各々のベクトルを如何に近づけられるかが、結果的に企業価値の最大化を果たすものだと思います。


今日もありがとうございます!
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