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目利き力!

皆さん、おはようございます!
情報技術の進展により、まだ世にない新しいモノがお目見えする余地が残っているかもしれません。しかし、今の社会はモノで満ち溢れ、既存のモノに新しい機能を付加した置き換え需要を見出すこと以外は難しく、むしろコトを提供することにこそ価値があるのでしょう。



どの様な業種業態の事業であってもそうだと思うのですが、長年、その事業に対して培ってきた目利き力こそ利益の源泉なんだと、つくづく思います。事業を行うということは、その事業のリスクを負担することなのですが、そのリスクをコントロールすることが出来る目利き力があって、初めてコストとしてのリスクを軽減し利益を得ることが出来ると思います。


一般に経済というものは、餅屋は餅屋ではありませんが、各領域において専門とする事業者が商品を供給し、それら商品を売買というかたちで交換することによる分業体制によって社会全体が成り立っているということが出来ます。他の事業者が儲かっているからといってそれを模倣しその事業に参入しようとしても、そう簡単に真似を出来るものではありません。


その事業を概念として理解は出来ても、傍から見るのと実際に手を染めるのでは異なりますし、例え巧妙なマーケティングを行ってお客様を呼んでくることが出来たとしても、事業という精緻なメカニズムを組み立て絶妙にマネジメントして、粗(=リスク)を顕在化させることなく滞りなく納めていく為には、それなりに身体に浸み渡らせた目利き力が必要です。


それ以前の問題として、一定のマーケットでお客様に商品を提供し、それが売れるのかどうかを見極めるのも目利き力であり、それは自らの事業領域の中での豊富な経験値がなければ読み切れるものではないと思います。そして、その事業の創業者の経験に依拠するものであり、事業の成長拡大とともに、組織のノウハウとして根付かせて行く必要があるものです。


その意味から、事業というものは創業者の知見、経験、ノウハウ以上には成長できないものだと思います。一旦、創業者の目利き力を組織に取り込む段階になりますと、分業化された業務として各々が専門深化させていくことになりますので、事業組織としてより安定化していくことになります。各ポジションにおける業務の目利き力がより深まっていくからです。


但し、その業務を標準化するようになると組織としての目利き力が急激に薄らいでいくのではないかと思います。それは、そもそも事業や業務の目利き力というものは人間の五感に宿るものであり、標準化するということはその業務のマニュアルに従って遂行することになりますので、物事の見方が通り一遍の表面的で形骸化された判断に陥りがちになるからです。


一定の事業規模になりますと業務も標準化し効率を追求して行かなければなりませんが、周辺事業領域への新たな進出や時代の変化に合わせて事業を改編していくフレキシブルさが失われてしまいます。それでも、一定の売上を維持していられる間だけなら、この業務の標準化は威力を発揮するものであり、日本の多くの大手企業がこの様な段階にあると思います。


目利き力を養っていく為には、成功体験とともに多くの失敗体験をも持たないと身に付かないのも事実でしょう。その時の失敗リスクをいかに最小限に食い止めるか、絶えず代替案を持ち得ることが必要です。大胆かつ果敢に攻めるばかりが事業ではありません。そこには石橋を叩いても渡らない位の慎重さと緻密さが必要なことが、成功した経営者から学べます。


今日もありがとうございます!
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