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ロイヤルHDへの資本支援!

皆さん、おはようございます!
この土、日曜日に長男が我が家へ仕事の打合せを兼ねて遊びにやって来ました。いまは独立し千住方面で暮らしているのですが、GWに流山市(=千葉県)に転居するとのこと。電車に乗れば東京まで直ぐなのですが、どんどん距離が離れていくようで寂しさを覚えます。



外食業界大手のロイヤルホールディングス(=HD)は、総合商社の双日や銀行から計160億円の資本支援を受ける方針を固めています。双日が第三者割当増資に応じて1割強の株式を保有する筆頭株主になります。新型コロナウイルス禍で苦境の外食産業では、劣後ローン(=他の借入金よりも返済する順番が劣る借入金)などによる資金支援が増えています。


「ロイヤルホスト」などを展開するロイヤルHDは、店舗の時間短縮営業や在宅勤務の普及などによる外食離れが響き、2020年1~9月期の連結最終損益が186億円の赤字(=
前年同期は17億円の黒字)に転落しています。2020年通期では200億円を超える赤字が推測され、今年は更なる緊急事態宣言の影響で赤字からの脱却が難しくなっています。


双日は第三者割当増資で約100億円を引き受けるのみならず、ロイヤルHDと資本業務提携をも結ぶ予定です。双日の営業網を活用して東南アジアを中心に出店を増やし、冷凍食品「ロイヤルデリ」の輸出も検討している模様です。ロイヤルHD傘下の航空会社向け機内食提供子会社も、双日が第三者割当増資により株式の60%を取得することになっています。


コロナの影響が長期化するなか、筆頭株主が交代する業界再編にまで動きが広がりつつあります。ロイヤルホストといえば、他の多くのファミリーレストランが商品の低価格路線を進める中で、唯一、高価格路線を堅持し差別化を図ってきたことで知られています。メニューなどを見ていましても、他のファミレスが客単価数百円のところ1千円を超えています。


確かにファミレスとしては高級感あふれるメニュー構成に、店員によるサービスは、一定のお客様による支持層を集めていたものと思います。航空会社への機内食を提供していたこともあり、メニューの質を落とすことができず、高級路線を維持してきたとも考えられます。
それが他のファミレスの様なお客様の自宅へのデリバリーを阻んできたとも言えそうです。


コロナ禍による巣ごもり消費が定着する中で、ゆっくりと外食を楽しもうとする意識は薄らぎ、不要不急の食事などは手軽に済ませたいという消費者心理が、ロイヤルホストへの客足を遠ざけたと考えられます。また、他のファミレスが時間短縮営業や店舗の部分営業を実施する中で、ロイヤルホストは高級路線を行くが故にそれが出来なかったのかもしれません。


今般の双日との資本業務提携内容を垣間見ますと、何れも消費低迷する国内市場の梃入れではなく、新たに東南アジア市場へ進出していくことに重点を置いていることに気付かされます。本格的な洋食をリーズナブルな価格で提供するロイヤルホストのメニュー構成なら、東南アジアにおける食文化において、手薄な市場ですので受け入れられそうな感じもします。


しかし、喫緊の赤字を食い止めなければならない中での東南アジア市場進出になります。それは新たな事業を立ち上げるにも等しい労力を費やすことになります。いまのロイヤルHDにとって必要なのは、時間との戦いだと思います。現地資本との合弁事業による進出やフランチャイズ展開を模索すると同時に、国内の不採算店舗から早急に撤退することでしょう。


今日もありがとうございます!
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