誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

フィンテック ~ freee!

皆さん、おはようございます!
財務数値で経営を語る。普通でしたら財務指標により利益効率、資産効率、安全性などのうん蓄を垂れて終わることが多いと思います。過去の財務数値を持ち出してきて時点比較や他社比較をしたところで何も意味を成しません。現状を知り未来を語ってこそ経営でしょう。



クラウド会計ソフトを提供するフリーが地方銀行との提携を広げています。2020年12月には香川県の百十四銀行と提携し、取引先である中小個人事業者の経理業務のデジタル化を後押しする目的でフリー導入を促していく予定です。会計ソフトといえば多種多様なメーカーの競合商品が多数あるなかで、なぜフリーの会計ソフトが銀行に選ばれるのでしょう。


フリーは、インターネットバンキングやクレジットカードなどの入出金データを自動的に取得し、AI(=人工知能)が勘定科目を自動で判断し仕訳を切ってくれることを強みとしています。経理業務の仕訳は、全体の7割程度は金額こそ異なれど、毎月決まった相手先との取引であり、それをAIが自動的に記憶して自動で仕訳を行ってくれる様になっています。


また、フリーでは会計ソフトを基軸とした金融サービスに力を入れていることが上げられます。2020年から地方銀行やメガバンクのビジネスローン等をオンラインで比較できるようにしています。融資を受けられる金額や利率、着金までの日数などを比較し、急な資金繰りにも対応できるシステムとなっています。ここまでなら、そんなに難しくはありません。


フリーが考える戦略は、会計データ―を金融機関が取り込み、融資などの与信審査(=どれ位の金額を融資できるかを審査すること)に生かして、銀行と新しいサービスを展開していくことにあります。各銀行が持つ与信審査の知見と会計情報を連携させて、自動的に与信審査を行い、その情報を中小個人事業者にフィードバックする仕組みを構築するのでしょう。


いわば銀行が持つ融資審査システムとクラウド会計ソフトフリーとを連携させる野望を持っている訳であり、これが実現したら会計ソフト業界のなかでフリーが独り勝ちになるばかりか、フリーが単なる会計ソフトの域から脱して、金融テクノロジー(=フィンテック)の意味を持つことになります。どの金融機関もこぞってフリーの取り込みに走ることでしょう。


と、まあ、ここまでは会計や金融の世界における近未来像であると思います。確かに、それが実現できた暁には、財務会計業務の自動化が図れ、中小個人事業者にとっても、金融機関にとっても非常に合理化が図ることが可能となり、経理業務や融資審査業務に携わっていた人員のAIへの置き換えが可能になる様に思われることでしょう。ですが、しかしです。


与信審査や経営判断の為には、財務数値という定量的な判断のみならず、経営方針や事業施策などの定性的な情報を兼ね備えて総合的に俯瞰していく目利き力が必要があることを忘れてはなりません。この部分をAIに置き換えることが可能かといいますと、答えはNoと言わざるを得ません。この目利き力は、経験と直感がものを言う世界だと言えるからです。


また、目利き力を養うために手っ取り早いのは、経営を司りながら会計の仕訳を切ることだと思います。仕訳を切っていますと、会社の状況が隅々まで手をとるように理解できます。
AI技術が進展しても、この仕訳を切るというアナログ部分は、万一、システムがダウンした時に備えて、その技量を維持しておく必要もあります。そこが情報社会の盲点でしょう。


今日もありがとうございます!
http://crelife.co.jp

×

非ログインユーザーとして返信する