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差し迫る銀行のビジネスモデル転換!

皆さん、おはようございます!
政策的にゼロ金利を施して、インフレ経済を待望する政府の狙いが見て取れます。しかし、実際に起きているのは金融バブルであり、実体経済は意図した方向に動かないと思います。情報化社会は、従来の経済とは異なるメカニズムで動いていることに留意すべきでしょう。



銀行のビジネスは、対象とする顧客層の違いこそあれ、メガバンクであろうと、信用金庫であろうと、さして違いはないものと受け止めています。ベースとなるのは、預金を集めて、それに利ザヤを乗せて法人や個人のお客様に融資することです。最近は、顧客企業の資金需要が減っていますので、余剰資金を債券や株式などの金融投資で運用するのが関の山です。


これでは将来が見通せずじり貧になってしまうということで、手数料収入を増やすべく外国為替、M&Aアドバイザリー、プロジェクトファイナンスのアレンジメントなどを強化してきた経緯があります。しかし、情報化社会の進展により給料振込が必ずしも銀行口座で良くなるなどの規制緩和と相まって、今までのビジネスモデルでは立ち行かなくなっています。


いま銀行が手掛けていることといえば、収益を増やすことよりも先にコストを削減すべく、
肥大化した組織の人員を大幅に圧縮することや店舗の統廃合に終始している状況です。銀行といえば、官僚化したピラミッド型の階層組織の権現のような存在であり、その様な硬直化した組織の中からは、これからの銀行を変革すべき独創的なアイディアなど出てきません。


いま必要なことは企業としての内側に眼を向けるばかりではなく、この情報化社会という時代の大転換点に対してどの様に社会が変わり行くことになり、その時代の移り変わりの中から出てくる新たな需要を想定しながら、銀行ビジネス固有の事業資源を改編し新たなビジネスモデルに転換していくことが必要です。それに伴い法制度も改正されることでしょう。


銀行ビジネスのコアコンピタンスといえば、融資審査の際の「事業を目利きする力」であったはずです。その核を成す事業資源は、戦後から高度経済成長時代に存分に経済社会で発揮されてきたと思いますが、いまに至っては融資審査にスコアリングなどという生産効率を上げるために標準化した審査手法が導入されてしまい、大きくその力を毀損させています。


顧客企業の財務内容をどれだけ分析したところで将来のリスクのことは誰にも分からないものです。融資判断する際の最後の砦は、事業のトップを司る責任者の思い、覚悟といった「人間を見切る眼力」です。そして、融資を行おうとする銀行担当者による業界がどの様に動いていくかという「時代を見抜く眼」と「構想力」を兼ね備えていることも不可欠です。


いまという時代になぞらえれば、情報技術革新により産業構造や消費者の価値観までも大きく変化を遂げていることを前提に考えていく必要があります。概念的に捉えれば、いままで築き上げてきた縦割りとなった産業、業種、業態、企業では、これからの消費者のニーズに応えることが出来ません。その縦軸と縦軸の間に、新たな社会のニーズがあると思います。


そうであるなら、縦割りで硬直化した自身の呪縛に捉われている企業組織を業界という大きな壁を飛び越えて企業再編を行っていく他ありません。その為には、銀行が持てる事業の目利き力を研ぎ澄ましながら、新たな事業のあり方を構想し、顧客企業に提案を仕掛けていく必要があります。その結果として、新たな資金需要が顧客から生まれてくるものでしょう。


今日もありがとうございます!
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