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企業価値の創造とは!

皆さん、おはようございます!
労働には、賃金労働と自給労働があることが知られています。今日では、多くの方々が企業にお勤めになられていますので前者があたり前のような風潮となっています。しかし、働くことの原点は後者であり、特に中小零細事業者はそれを感じる場面が多々あると思います。



企業価値という言葉が使われ出したのが2000年代前半であったと思います。その頃より非常に漠然とした言葉であるにも拘らず、なんとなく社会や企業にとってプラスとなる良いことでありそうだという雰囲気の中で、明確にその定義が定められずに今まで使われてきたのではないでしょうか。企業によっては、経営目標としてそれを定める所もあった位です。


そして、今日では欧米流の考え方を取り入れる形で、また企業への政策的な要請もあり、企業価値を企業の「経済」価値と狭義に解釈することに決められた経緯があります。企業には様々な利害関係者がいる中で、一義的には法律で企業は株主の所有であると定められていることから、株価を高めることが企業価値を高めることに通ずると理解されるに至ってます。


株価を高めることが企業価値の創造に繋がるのであれば、ファイナンスの教科書に従って、企業が事業を営むのに必要な資金調達(=資本金、借入金)に係る加重平均資本コスト(=資金の出し手である株主、銀行などが期待する利回り加重平均)を上回る利益を創出し続ければ良いことになります。これは上場企業のみならず、中堅中小企業にも当て嵌まります。


加重平均資本コストを上回る利益を創出する為にはいろいろな方法がありますが、手っ取り早いのは加重平均資本コストを下回る事業から撤退して売却することです。経営資源の選択と集中という言い方がされますが、最近では資生堂が椿ブランドをはじめとする日用品事業を1000億円で譲渡することを発表していますので、多くの方が記憶に新しいでしょう。


確かに長期的な視点でイノベーションにより新たな事業を創出できないなら、短期的な視点でそうせざるを得ないと思います。日本の多くの企業は、時代の変革期にある中で、将来に対するビジョンを描き切れずに混迷している言われています。短期的な視点でファイナンステクニックによって株価を高めたところで、企業の経営体力は摩耗するのみだと考えます。


企業本来の目的は、社会に対して事業を通し付加価値を提供することにあります。その結果あとから財務数値が付いて来るものです。企業とは株主の所有に係るものではるのですが、事業を営んで行く為には、従業員、取引先などにとっての価値も同時に高めていかなければなりません。企業が社会の公器であることを忘れては、本末転倒だと言わざるを得ません。


企業は、行き過ぎた資本の論理に安易に迎合することなく、もっと本質を見極め王道を行くべきでしょう。多くの日本の上場企業が短視眼的になっているのは、プロパーと呼ばれる経営者の責任でもあり、従業員たりとも全くの他人事であってはいけないと思います。こじんまりと内向きに固まってしまった硬直的な会社組織に、活力を取り戻す必要があります。


企業というものは、結局のところそこで働く人々の独創的なアイディアにより揺り動かされるものです。そこで働く人々が、分業化と専門化といった組織の呪縛に陥ることなく、自分事として新しい事業や商品の創出に取組んで行くことが不可欠です。それが出来ない現在の企業組織のあり方に問題があると思います。企業価値とは人々が創り上げていくものです。


今日もありがとうございます!
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