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アート思考で新事業を探る!

皆さん、おはようございます!
最近、隣町にあるDIY工房に出会いました。地域に根を下ろした施工会社さんが運営するその工房には、差し詰め地域のコミュニティ空間という感じで、地域の多くの人々が集まって来ます。地域で関係を深めて仕事をしていきたい私にとりましても気持ちが入ります。



アーティストのように自由な発想で仕事を考える「アート思考」が大企業でも注目を集めているそうです。凸版印刷は、座禅などの研修を通じて、社員に新規事業のヒントを探ってもらっているそうです。丸紅やパナソニックは、勤務時間の一定の割合を自由に仕事が出来る米グーグルの「20%ルール」に似た仕組みを導入して、社内起業を促しているそうです。


アート思考とは、社員個人が自由な発想で遣りたいことに取り組む手法です。論理的な数字で客観的に説明して物事を進めるロジカル思考、顧客ニーズや要望に合ったものを開発するデザイン思考と対照的な方法です。つい最近まで新規事業開発や新商品開発にデザイン思考が注目されてましたが、ここに来てアート思考が着目される背景はどこにあるのでしょう。


日本企業は顧客のニーズに応える発想で新事業を開発してきた経緯がありますが、需要に応じて速く大量に作るだけの企業は、いずれ人工知能(=AI)にとって代わられると考えられます。また、ロジカル思考やデザイン思考をもってしても、なかなか新しい自由な発想で革新的な事業が生まれて来ないどの企業も、自社の存続に危機感を抱いていると思います。


凸版印刷は京都大学と共同でアート思考を取り入れた人材育成をはじめています。2020年に京都府内の寺で座禅の研修を実施しています。その目的は、日本の企業は顧客の課題を解決する手法に慣れ過ぎており、こうしたデザイン思考にも似た発想からの転換を促すことにあります。しかし、アート思考の習得を企業内研修で行うこと自体本末転倒に思えます。


確かに高度経済成長時代は、まだまだモノが不足する時代であり、少しばかり顧客の話しに耳を傾ければ、新しい事業や商品を開発することができ、右肩上がりに売れたことだと思います。しかし、モノが飽和している現代においては、ただ少しばかり奇をてらった商品を作ったところで、そうは簡単に販売することは出来ないものと思います。時代が異なります。


市場の飽和、それは単に商品の機能性を求める時代ではなく、消費者が商品に対して自らが自分の価値観で生活する意味を求めている時代に転換していると考えます。それは経済合理性という単一の志向に依ることなく、生活する人々が皆、生きる意味を問い直し、個々人各々が自分の価値観を探求する時代であり、それが文化を深めることに通ずるのでしょう。


その意味では、新たな事業や商品を創り出していこうとする企業や個人が、その事業や商品にオリジナリティ溢れる自分ならではの生き様、考えを投影させる必要であり、社会の何事にも捉われることのない自分ならではの価値観を世に問うことだと思います。これがアート思考であり、それは企業研修という付け焼刃の枠組みでは身に付けられないと思います。


もっと個々人が自らを鍛錬させて行く必要があるでしょう。それは、企業という経済合理性を追求することを前提に事業を営む思考とは、真逆の発想が求められます。企業組織の一員としてではなく、社会を俯瞰し真摯に受け止め、それを自分ならではの考えで表現することが許される自由な環境が不可欠です。企業組織の存在自体をも疑う眼が必要なのでしょう。


今日もありがとうございます!
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