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バルミューダというファブレスメーカー!

皆さん、おはようございます!
月も改まり2月となってしまいました。1月は日々の業務をこなすというよりも、予想に反し新たなお客様への営業に終始したような気がします。今年は、新たなビジネスモデルへ転換する元年と決めていますので、今月以降、向かうべき足取りを少しずつ変えていきます。



新興家電メーカーのバルミューダが昨年末、東証マザーズに上場しています。2003年に創業し、工場を持たないファブレスの形態で固定費を抑え、独創的な機能とデザインの家電で国内外の大手メーカーに本格的に挑みはじめています。水平分業が進み、アイディアやブランド戦略次第でスタートアップも家電メーカーになれる時代だということができます。


トースターの機能を突き詰め、パンをふんわりと焼き上げることができれば新しい価値となる。そんな思いからバルミューダは、大手家電メーカーが作り得なかった高級トースターの市場を開拓しています。背景として一定の消費者層に受け止められる尖った製品が、口コミなどを通じて一般消費者にも受け入れられ、ヒット商品になり易くなったこともあります。


年間100億円ほどの売上規模で知名度を高められたのは、商品開発に経営資源を集中させるファブレスという水平分業による事業形態です。生産は中国等の工場に委託生産してもらっています。工場を持たない身軽さは、資産効率を示す総資産利益率(=ROA)にも表われ、4年前の9%程度から2019年12月期は12%まで高めることに成功しています。


更にバルミューダの売上高営業利益率は2020年12月期に10%を見込んでいます。
一方、これまで家電業界を牽引してきた電機メーカー大手は、自社で工場を持ち、商品開発、生産をする垂直統合型の事業形態をとっています。パナソニック、ソニー、三菱電機、シャープ、日立製作所などの大手の家電事業の営業利益率は5%以下に留まっています。


この様に見ていきますと、生産工場を持たないファブレスメーカーの方が優位に見えますが弱点もあるようです。自社工場を持たないだけに急激な需要の変化に対応し難く、また製品の品質管理問題も課題として残っているようです。例えば、バルミューダでも、需要の急増により適切な在庫量確保が出来ず、加湿機が需要期に品薄となるリスクが顕在化してます。


また、同社は主力のトースターや扇風機のリコールで2018年12月期に大幅な減益となり、品質問題を露見する形となっています。自社工場を持っていれば、需要量に応じて直ぐに増産を図ったり、徹底できる製品品質管理体制も、東南アジアの外部メーカーに生産を委託していることから、連携を図っていくのになかなか手間がかかるという問題もあります。


バルミューダは、今回の株式の上場資金で、人材投資や新商品開発に費やしいままで国内市場に限られていた販路を海外にまで広げ、インディーズからメジャーデビューしていく考えです。同社のこれからの課題は、トースターなどのヒットで国内家電市場に風穴を開けましたが、規模を大きくしながらも尖った製品を出し続け、品質を安定させることにあります。


SPA業態であるファーストリテイリングも、当初、中国の生産委託工場での品質管理に苦労しています。そこをどう改善していくかが事業であり、新たなビジネスモデルを確立していく為には避けては通れない道だと思います。バルミューダもそこを理解した上での株式上場でしょう。これからは、総花的自前主義を行うことなく一芸を磨け上げていく時代です。


今日もありがとうございます!
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