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商社化する金融機関!

皆さん、おはようございます!
今年も、いよいよ終わりという感じが漂って参りました。コロナで始まり、コロナで終わるような1年ではありましたが、来年は今年以上に良い年にしたいと考えるものでしょう。その為には、現状を冷静に見つめつつ一歩ずつ着実に歩みを進めていくことが必要でしょう。



金融庁の金融審議会は、銀行法などで定める銀行ビジネスの範囲を拡大する報告書をまとめこれにより金融機関による新事業への進出を阻んできた規制が緩和される方向へ進んで行きます。特に地方銀行の、資源を活用し地方企業の再生につなげることを目指す内容となっています。2021年の通常国会に法案改正を提出し、早ければ同年秋頃には施行されます。


今回の規制緩和は、デジタル分野や地方創生につながる業務を幅広く可能にするのが特徴となっています。中核となるのは銀行の業務範囲を拡大することにあります。預金を受け入れる銀行は、いままで健全性を保つために業務を厳しく制限されてきた経緯がありますが、システムアプリケーションの販売や広告、人材派遣など8分野における業務が解禁されます。


金融庁の認可を受ければ、銀行本体でシステムやアプリケーションなどを開発し取引先の企業に販売したり、データ分析を行い広告に活かすほか、多様な人材を派遣して顧客企業の経営を支援したりすることが出来るようになります。観光や地域産品の販売などを手掛ける地域活性化事業、いわゆる地域商社への出資上限は50%から100%に引き上げられます。


銀行グループ傘下にこうした会社を設立する場合は、認可を不要として届け出だけで、これら業務を営むことが出来るようになります。現在は、議決権ベースで5%までに制限されている銀行による事業会社への出資規制も柔軟に運用されるそうです。今回の規制緩和は金融機関の規模に拘わらず、銀行や信用金庫、信用組合など全ての金融機関が対象となります。


今般の金融審議会では、新型コロナウイルス感性症の拡大による地域経済への打撃や地方銀行の経営改革が焦点になったことから、地銀の事業モデルを再構築することを意識する内容となっています。しかし、お膳立てが整ったところで、果たして全ての金融機関にこれら規制緩和される業務を活かしていく程の経営資源を持っていると言えるのか疑問が残ります。


確かに金融機関、特に地方銀行が持つ貴重な経営資源であるお客様とそれを支える店舗を軸として収益構造を改善していく為には、主要顧客である中小・個人事業者が事業を営むに際して立ちはだかる経営課題を解決できる商品やサービスを提供していくことが不可欠だと思います。今回の規制緩和業務は、何れもそれら事業者を支援する視点で捉えられています。


いま地域経済を支える中小・個人事業者が抱える経営課題は、ヒト・モノ・カネの内、ヒトの部分が大きいと思います。単に人手が足りていないということもありますが、それ以上に時代の変化に対して従来の事業の構造を変えていくマネジメント力が不足していることに尽きます。本来望まれるのは、経営をサポートする事業の目利き力とそれを実行する力です。


単に金融機関が業容を拡大したところで、中小・個人事業を営む上で必要な経営の肝を抑えることが出来なければ、絵にかいた餅で終わってしまいます。まず金融機関が手を付けなければいけないのは、今まで標準化し過ぎてしまった融資業務を支える行員の経営能力を高めることでしょう。その為には金融機関自身が自らの事業構造を変えていく必要があります。


今日もありがとうございます!
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