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金融庁の融資改革!

皆さん、おはようございます!
11月も半ばとなり、ようやく自分のペースで仕事に取り組むことができるようになっています。やはり落ちついてゆっくりと考える間も持たなければ、良い仕事のアウトプットも出来ないものだと思います。今のこの感覚を忘れずに、年末までを掛け抜けたいと思います。



金融庁は、銀行による中小企業の事業支援を促す融資改革の議論を始めています。不動産担保や経営者の個人保証に偏った融資慣行を見直し、企業が持つ技術や顧客基盤などの無形資産を一括で担保にできる制度づくりを目指しています。銀行が企業の将来性を評価して資金を出しやすくすることで、コロナ禍で苦境にある地方経済の再生を後押しする狙いです。


金融庁は法務省の意見を踏まえ、2021年に民法改正をも視野に入れていると言いますから、その本気度が伝わってきます。現状、コロナ禍で一時的に業績が悪化した場合、将来性があっても担保として差し入れる不動産がないと事業継続が困難になる恐れがあります。金融排除という貸し手が借り手を選別する悪しき慣行から訣別できるのかが問われています。


日本の中小企業に対する銀行融資の多くは、土地や建物など不動産担保や経営者保証を個別にとることを重視しており、企業の事業価値を評価していないという指摘が長年なされています。将来有望な企業でも担保がないために融資できず、事業拡大に必要となるリスクマネーを供給する手段が乏しいという指摘がなされており、それを是正する必要があります。


新たな仕組みは、企業の技術やノウハウといった無形資産を含む事業全体の価値に包括的に担保権を設定できるようにする考えです。これまでも特許権などの無形資産に個別に担保権を設定することは出来ましたが、担保価値の判断が難しいなどの問題で浸透して来なかった経緯があります。事業全体の権利を明文化したところで実効性が伴うか疑問も残ります。


事業全体の価値に包括的な担保権を設定するためには、それを経済的価値として数値で表すことが不可欠であり、銀行の事業に対する「目利き力」も多分に問われることになります。事業全体の価値には絶対的な価値というものはなく、評価をする者によって算出される事業価値の評価が異なってくる性格のものです。正しく評価をする者の目利き力が問われます。


いまの社会、銀行というものは、それを構成する誰しもが納得のできる普遍的な形式知が重んじられますが、実のところ商売というものは個々人が養う目利き力こそが糧を得るための重要な要素であり、それを見極める奥深い経験知や暗黙知といった言葉では表せない要素が事業を大きく左右するもです。その意味で、事業価値は相対的であると言えるでしょう。


その様な性質の事業価値を銀行という組織としてどの様に運用して行くかは銀行内部の問題だと言えるでしょう。例えば、M&Aや第三者事業承継を行う際に、第三者機関により事業価値評価が行われますが、その様な事業評価額をベンチマークとして更に銀行内部における顧客事業の目利き力による定性的な情報を加味して加算、減算しても良いものと思います。


海外では、既に米国、カナダ、オーストラリアなどが同様の制度を採用しています。世界銀行によると、2020年の事業環境ランキングの融資分野で日本は190ヶ国中94位という不名誉な順位に留まっているようです。この順位を銀行がどのように受け止めるかですが
今までのビジネスモデルの慣習に固執していては、銀行の明日は拓けないものと思います。


今日もありがとうございます!
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