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The PARCO!

皆さん、おはようございます!
JR東日本が変動運賃制度の導入する検討をしているようです。いまは乗車距離によって一律の料金を設定していますが、今後、時間帯による分散乗車を促すために乗車時間帯によって異なる料金を設定するようです。朝のラッシュを回避するためにも良いことでしょう。



昨年11月に、渋谷PARCOが3年ぶりに新築オープンしました。装いも新たにカルチャーやアート感覚を前面に押し出した情報発信基地PARCOらしい商業施設だと思います。今般、この渋谷PARCOの最上階にデジタルガレージとThink Greenが運営するコ・ワーキングスペースが設置されています。計画段階から気になっていた施設です。


PARCOは、一見すると百貨店などと同じ様に各店舗を直営する商業施設のように見えますが、そのビジネスモデルは自ら打ち出したコンセプトに基づき、プロモーションや施設全体の運営を行い、個々の店舗運営はテナントに任せるPARCOブランドの専門店ビルディベロッパーであるということが出来ます。その個性的なプロモーション力が目を惹きます。


それにも増して、PARCOの経営方針では単に商業テナントを誘致するに留まらず、新たなブランドやカルチャービジネスを立ち上げたばかりのスタートアップ事業者をインキュベーションしていくことも事業目的となっています。単に確立されたブランドを持つ信用力のある事業者を誘致することにより、安定した家賃収入を得ることに留まらない試みです。


未だブランドとして確立していない、信用力も覚束ないスタートアップをテナントとして誘致することは、PARCOビジネスとしてリスクである筈なのですが、その時代のカルチャーやアート感覚を見抜く目利き力が、強い情報発信基地としての源泉になっているということが出来るでしょう。この点が他のショッピングセンターとの差別化要因となっています。


PARCOは、このスタートアップ事業者のインキュベーションを推し進めること、そして時代の流れを踏まえて渋谷店でコ・ワーキングスペースを導入していますが、このコ・ワーキングスペースを利用するスタートアップ達が共創しながら、行くゆくはPARCOの情報発信基地の一つになれるまでに、育っていってくれることに期待をかけていると言えます。


新規開業した渋谷店の中に、スタートアップ達をインキュベーションする循環サイクルを組み込んだところが素晴らしく思います。PARCOの渋谷店に対する並々ならぬ思いが込められていることが見て取れるでしょう。最近は郊外店舗などを見ると、他のショッピングセンターと変わらぬ装いに、一時期のPARCOの勢いが失せてしまっていたところですが。


このPARCOのビジネスモデルですが、これを小売業界における一つの成功モデルとして留まらせておくことなく、他の異業種においても活用することが出来ると思います。例えばいまや何の変哲もない金融業界ですが、ただ単に信用力のある取引先企業への融資に偏重することなく、未来の取引先をインキュベーションすべく共創の場を設けても良いでしょう。


スタートアップ企業に対する目利き力を養いながら、少量のリスクマネーを貸し出していくことも必要だと思います。その時に、これからの時代に必要と感じられる新規産業に的を絞ってもよいでしょう。その新しい産業に対するノウハウ、知見を養うことが、次なる時代のリスク負担を軽減する力となり、金融機関にとって新しい活路を見出すことに繋がります。


今日もありがとうございます!
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