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三井不動産がMaaS事業!

皆さん、おはようございます!
様々な産業や業種というものがあります。一次産業としての農業、林業、鉱業、水産業、二次産業としての製造業、三次産業としてのサービス業。いずれも自らの業態に特化して事業を営んでいますが、これからはその枠組みを越えた関係づくりが必要な時代なのでしょう。



MaaS(=Mobility as a Service、マース)をご存知でしょうか。MaaSとは、ICT(=情報通信技術)を活用して交通をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず、マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)を 1 つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな「移動」の概念です。


利用者はスマートフォンのアプリを用いて、交通手段やルートを検索、利用し、運賃等の決済を行うことができます。このMaaS事業に、三井不動産が年内にもサブスクリプション(=定額課金)型の次世代移動サービスMaaS事業に参入します。2019年に出資したフィンランドのマース・グローバルと連携し、専用アプリを日本仕様に変えて実現します。


三井不動産といえば、三井財閥の中核企業の一社であり、戦後一貫して不動産業界において売上1位に君臨している総合「不動産」会社です。その三井不動産が、不動産事業ではなくMaaSという次世代移動クラウドサービスを手掛けることについて、いささかの驚きと新鮮さを感じます。これも時代の転換期における大きな流れの一端なのではないでしょうか。


私も総合不動産会社に在籍していたことがありますので言えるのですが、不動産業界、特にディベロッパーといわれる不動産開発会社と情報技術というものは、最もかけ離れた存在なんだと思います。不動産の企画や開発業務において、業務効率化の必要から情報技術を活用する余地が少なく、事業構想を考えたり、その実現の為の関係構築が主な業務となります。


そんなディベロッパーが、最も似つかわしくないクラウドサービス事業に参入することを歓迎したいと思います。これからのディベロッパーは、魅力的な街づくりの為、単にショッピングセンター、オフィスやレジデンスといったハードウエア(=土地建物)としてのモノづくりだけではなく、ソフトウエア(=コンテンツ)を提供していく必要があるからです。


建物一つとってみても、快適な空間を提供する為に、建物を自動制御するAI化が避けて通れないでしょうし、街全体を総合的に開発していく視点からも、スマートシティという言葉で形容されるように、MaaS事業をはじめ、街の情報などを提供する都市OS(=基本ソフト)、インフラの維持管理、セキュリティ管理など情報技術の活用が避けられません。


今後、ディベロッパーが弱みである情報技術を補強していかなくてはならないことは既定の現実として、それ以前にディベロッパーが今まで事業の中で培ってきた事業を構想し、それを具体的な計画に落し込み、実現すべく開発につなげて行くオーガナイズ機能を不動産という狭い世界に留めずに、広く新しい産業、業種業態の創出の為に活かすべきと思います。


くしくもコロナ禍の影響による在宅勤務などの広がりにより、不動産事業は建物の空室が拡大しています。今までならテナントを誘致していれば安定的な収益が見込めましたが、これからの時代は、ディベロッパー自らがその空いたスペースをどの様に利活用していくか、生活者需要を踏まえリスクを取りながら自ら事業を創出していくことが望まれると思います。


今日もありがとうございます!
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