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工場シェアリング!

皆さん、おはようございます!
コロナ禍によりリモートワークがすっかり定着した感じがいたします。いままでなら取引先の方とお会いするために、移動時間をかけてわざわざ出かけて行ったものですが、その必要がなくなっています。その空いた時間をどの様に有効活用していくかが問われます。



コロナ禍で自動車などの需要が急減するなか、工場に生じた余力を新たな目的に活用する工場シェアリングが進みつつあるようです。受発注を仲介するサービスが登場し、自動車部品の下請け工場で医療機械や搬送設備の部品の生産を手掛けるといった事例が広がっています。町工場は逆風を切っ掛けに、新たな生き残りをかけた動きに着手しています。


この工場シェアリングの仲介を行っているのは、日本特殊陶業の公募型新規事業プロジェクトにより生まれた社内初の新規事業会社、株式会社シェアリングファクトリー(=名古屋市)です。2年前に創業した同社は、まずは工場設備の売買や貸し借りを手掛け、この4月からは大手メーカーなどの注文に応じ、空き工場を斡旋する事業を始めています。


製造業は大量生産の時代から少量多品種生産の時代へと移り変わり、さらに現在インダストリー4.0(=製造業におけるオートメーション化およびデータ化・コンピュータ化を目指す昨今の技術的コンセプト)といわれる新たな時代へと変化しています。その様な中で、製造企業も多くのモノを保持することが競争優位とならなくなって来ております。


一方、個人の世界に目を向ければ、シェアリングエコノミーの浸透により、所有から共有へ流れが加速しています。製造業の世界でもコアとなる生産設備は自前で持ちながらも、共有していい生産設備もあり、その様な設備を企業間で共有することにより、生産効率を高めたり、外部環境の変化に対して柔軟に対応することが出来るようになると思います。


創業当初は、採算設備の売買や貸し借りではじめたシェアリングファクトリーも、それに留まらず、空いている生産設備を高稼働すべく製品生産の斡旋を行うことによるシェアリングビジネスに先鞭をつけています。きっと日本特殊陶業も多くの下請工場を抱え、それら工場の業績建直しの視点もあって発案された工場シェアリングビジネスだと思います。


工場のシェアリングビジネスといえば、ラクスルという会社が業界再編の進まない印刷業界の中で、中小印刷工場の空き時間を利用した印刷物の斡旋を行っていますが、これなども今のビジネスモデルに当てはめればシェアリングファクトリーという概念に当てはまると思います。ラクスルは、お客様からの受注を受けるプラットフォームを司っています。


そして、その受注印刷物を提携している中小印刷工場へ斡旋する仕組みですが、その時に当該提携印刷工場の稼働状況を見て、空き時間のある工場で印刷を行っています。ラクスルでは、この印刷業界での経験を物流業界でも応用しています。トラックは往路は荷物を積載しますが復路は空積みのことが多く、その復路に積載する荷物を斡旋しています。


いままでの産業は個々の企業が自前主義でサプライチェーンを整えることが競争優位と考えられていましたが、いまやそれも幻想にしか過ぎません。これまでの業種別に区切られた縦割りの産業界は、やがて共有経済の考え方が浸透しはじめ縦軸に横串を刺していく木目細かい経済構造となって行くでしょう。企業に必要なのは核となるノウハウでしょう。


今日もありがとうございます!
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