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投資会社としてのソフトバンクG!

皆さん、おはようございます!
現代の仕事は、それまでの肉体という労力を費やして糧を得ることから、情報を収受して価値をつけてアウトップトする知識労働に大きくシフトしています。これも時代の流れかと思いますが、働くことの原点は肉体を費やして糧を得ることを忘れてはなりません。



ソフトバンクGは、2020年1~3月期という四半期決算において、連結最終損益が1兆4381億円もの赤字に転落したと報じられています。その主な原因が、急拡大してきたスタートアップ企業に対する投資において、新型コロナウイルスの感染拡大にともなう投資先企業の株価急落とそれによる財務内容の悪化が原因となっているとのことです。


ソフトバンクGといえば、10兆円ものスタートアップ企業への投資を目的としたビジョンファンドを通して、ライドシェアの米ウ―バーテクノロジーズやシェアオフィス大手の米ウィ―カンパニー他への投資を行っていますが、この2社だけでも約1兆円もの投資株式の含み損を抱えてしまっています。拡大一辺倒の経営からの見直しが迫られています。


これら時代の先端をゆくスタートアップ企業の株価上昇を背景に、市場から資金調達を行い、それを更にスタートアップ企業の再投資に廻す循環サイクルが、完全に逆回りをしだした格好となっています。自社の株価を極限まで高めるために、負債により資金調達を行ってレバレッジを効かせてきたことも、急激に財務内容を悪化させていると言えよう。


ソフトバンクGとしては、中国アリババや国内通信子会社ソフトバンクの株式売却を通じて早急に4.5兆円の資金ねん出を行い、膨れ上がった負債の圧縮、社債償還、自己株式の買取りに拠出するとしていますが、その施策のどれもが事業会社の取るべき方策というよりも、投資会社としてのそれであり、いまや事業会社とは言えないものだと思います。


私たちの社会はお金を媒介として経済が成り立っていますが、お金というものはあくまで手段であり、目的ではないことに留意すべきだと思います。確かに実物経済の成長にともない貨幣経済も成長していますが、例えばディリバティブ取引の様なものは実物経済におけるリスクをヘッジする為のものであり、鞘抜きという浮利を追うものではありません。


実物経済において、社会の要望に応えるべく付加価値を創出して、きちんと利益を享受することが望まれます。それは、生活者が望むモノやサービスを提供するために、事業努力を惜しまない日々の営みであり、その目的を遂行する手段としてお金が必要となる訳です。その意味で、貨幣経済は実物経済の目的達成ための従たる立場であると思います。


ソフトバンクGも祖業はコンピューターの卸売業であったと思いますが、ヴォーダフォン(=現ソフトバンク)を買収した辺りから財務テクニックを多用する様になり、事業会社グループでありながら、その実態は投資会社と変わらないグループ企業へと変貌を遂げて行ったように受け止められます。確かにIT王国を築こうとする戦略は理解できます。


しかし、いまのソフトバンクGには、実直にコツコツと利益を稼いで行こうとする、お客様と共存共栄して行こうとする意識が失われているようにすら見えます。その様な投資会社とは事業環境の変化への対応が、意外にも脆いものだと思います。貨幣という目的ありきの事業ではなく、仮に貨幣がなくとも成立する事業こそが王道ではないかと思います。


今日もありがとうございます!
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