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中間「知」の世界!

皆さん、おはようございます!
自粛期間が今月末まで延びてしまいましたが、ことの重大さを考えればやむを得ないことだと思います。10年後に振り返った時に、歴史を変える転換点になっているのかもしれません。いま私たちに出来ることを悔いを残さずにやり遂げなければならないでしょう。



唐突にタイトルにある「中間知」という見慣れない活字を目にしても、きっと??ではないかと思います。中間「知」をご理解頂くためには、少し説明が必要かもしれません。中間知とは、野中郁次郎一橋大学名誉教授が提唱した「暗黙知」と「形式知」の中間に位置する、未だ形式知にはなっていないが暗黙知から離脱した伝達可能な知識の概念です。


私たちが創出、伝達、入手する知識や情報といったものを暗黙知と形式知に分けてみますと、暗黙知は言語化されていない経験や勘といった人間の活動の拠り所になる知識です。それは他者とのコミュニケーションを通して個人の内面に潜在しているものが表出され、共通認識として曖昧な概念から徐々に言語化されるプロセスを通じて形式知になります。


形式知とは、既に活字や映像といった手段により伝達可能な、社会一般的に普遍で人々の間で共通認識となっている概念であり、私たちの社会ではこの形式知を使用して、論理的な組み立てを経て意思疎通を図っているということができるでしょう。中間知とは、正しくこの暗黙知から形式知に昇華するプロセスの途上にある知識であるといえます。


この3つの知識段階を社会との関わり、特に情報技術の進展による情報化社会との関わりの中から考察してみますと、これまで形式知であっても人々が情報の遣り取りを効果的に行う為には東京に一極集中するなどの必要がありました。しかし、インターネット、メール等の普及で人々が集積する必要がなくなり、形式知の相対的な価値が低下しています。


このことは、世界のどこにいようが、誰でも等しく同じ情報を入手できることを意味しており、パソコンやスマートフォンで検索すれば様々な情報を直ぐに手にすることが出来ます。その結果、形式知よりも新しいアイディアや考え方といった暗黙知の方がこれからの時代に望まれる相応しい知識として相対的な価値が高まっているということが出来ます。


この暗黙知を形式知にまで昇華させるためには、実はフェーストゥ・フェースで他者とコミュニケーションを図る中で、ちょっとした切っ掛けによる閃にも似た感覚を持つことが必要であり、その為には異質な文化や価値観を持つ人々が交じり合っていくことが効果的であると言えます。そして、もやもやした閃きを形式知まで高める必要があります。


この暗黙知から離脱した中間知を形式知にまで高める為には、人々が顔を突き合わせて対話、議論するプロセスが不可欠であると考えられます。今回のコロナショックで人々はテレワークを強いられていますが、意外に対面でのコミュニケーションを代替するツールとして便利であることが周知され始めています。中間知の存在を認識するに他なりません。


テレワークを通した対話の中で、この中間知の段階にある知識を形式知にまで高めることが可能であることに人々は気付き始めています。そうすると人々は益々、集積することに価値を見出すことなく、むしろ暗黙知を触発させる異文化圏の方が知的生産には適しており、ますます東京一極集中の働き方を変える切っ掛けになるのではないでしょうか。


今日もありがとうございます!
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