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スタートアップの仕事!

皆さん、おはようございます!
最近、お仕事の関係で県会議員歴30年の方と知り合うことがありました。既に議員は辞められて、今はある企業の取締役をされています。未だに議員時代の習慣が残っている様で、仕事を右から左へと橋渡して行く姿は、実業の世界とは異なるように見えます。



ファブレスメーカーのCFOという仕事に携わり、順風満帆に仕事が進んだかといいますと、そこはやはり創業間もない会社でもあり、日々の業務の中では山あり、谷あり、ジェットコースターにでも乗っている気分であるというのが正直なところです。将来の夢をエネルギーとして、自身のやる気を奮い立たせながら仕事に取り組んで行く日々です。


創業者であるCEOは、技術者として普段は深セン(=中国)に駐在し、新たな商品開発に傾注しています。私自身は日本法人の責任者として、20数名の社員を束ねて営業と管理業務全般を切り盛りしていかなければなりません。ここでCFOとして大切なのが、如何にCEOと会社のビジョンを共有するがであり、表裏一体でなければなりません。


技術者の性として、自分が思い込んだ商品を市場で販売したいという逸る気持ちがあります。しかし、新たに商品を開発していくためには、研究開発費、その後の生産段階においては先にパーツを購入したりする費用が販売に先立ち必要となります。その資金を銀行より調達しなければならない訳ですが、銀行もそう簡単に融資に応じでくれません。


売れるかどうか分からない商品に融資を付けるほど、銀行も甘くはありません。私たちが取り組んだのは、先にお客様より受注を頂き、その発注書と売掛金を担保としてL/C(=レターオブクレジット、銀行が発行する信用状)を発行して、資金繰りを凌いでいました。日々の資金繰りが薄氷を踏む思いで、それでも何とか乗り切っていたと思います。


その様な折に、幸運にも大手量販店オリジナルスマートフォン7億円もの大型受注を得た時は、財務の立場として青褪めたことが思い出されます。例えL/Cを使用できても、スタートアップ企業の信用力に比して、一度に供与される金額が大きすぎるからです。万が一、売れ行きが芳しくなく、途中で購買打切りや不良品の返品リスクもあり得ます。


これにはCFOの立場として、確かにスタートアップ企業にとって乗り越えなければならない又とない機会であることは理解できても、まだ創業3年足らずの企業として屋台骨を狂わす大きなリスクも潜んでいる訳ですので反対を表明さざるを得ません。CEOをはじめ多くの幹部社員は、その様な事を理解することなく、気持ちばかりが急いています。


その様な中、大手メガ銀行3行から協調融資により何とか資金調達を行ったものの、蓋を開けてみれば思ったほど大手量販店でのスマートフォンの販売が伸びず、また不良品が発生し、やはり資金繰りが詰まってしまいました。おまけに銀行からの融資も停止となる始末です。その様な状況でも、火事場の底力ではありませんが力が湧きでて来るものです。


自助努力による株式公開をあきらめ、1部上場企業からの支援を受けるべく、相手方企業を早急に探してきて、自社の経営権をM&Aにより譲り渡すことにしました。それと同時に、支援企業から自社を受ける条件として、商品開発と生産機能に特化することになり、これまでの国内法人を大幅にリストラすることとなってしまったことが思い返されます。


今日もありがとうございます!
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