誰にも聞けない経営財務戦略!

ビジネスの未来を財務と心で読み解くブログです!

CREATE LIFE!
より良い暮らしを創造しよう!

http://crelife.co.jp

事業コーディネーターという仕事!

皆さん、おはようございます!
この広い社会の中で様々な事業が営まれ、私たちの暮らしを豊かにしています。事業は商品を安定供給するために固定的なシステムへと向かわせますが、事業が目的とするマーケットは時代とともに移り変わるものです。事業も変化し続けなければなりません。



米ラスベガスで開催された世界最大のデジタル技術見本市「CES」において、トヨタ自動車はコネクテッドカー(=つながるクルマ)をはじめ、あらゆるモノやサービスがネットワークされる「スマートシティ」を静岡県裾野市につくることを発表しています。2020年に閉鎖予定の工場跡地を利用した実証実験としての街づくりです。


居住者はトヨタ自動車が開発を進めている自動運転の電気自動車(=EV)「イーパレット」のほか、室内用ロボットなどの新技術を検証し、MaaS(=次世代移動サービス)やAIの開発にも活用していく予定です。クルマの生産販売という今までの事業領域を越えて、自らの使命をモビリティ社会の実現と定義し直したところに今後が期待されます。


このスマートシティ構想を実現していくためには、トヨタ自動車の事業領域であったクルマや住宅の生産技術だけでは足りないため、世界の企業、大学などの研究者が実証に参加できるよう、同都市の開発への参加者を募って行くことを決めています。いままで事業といえば自己完結することが常識でしたが、企業間の垣根が低くなることを意味します。


これからの社会に必要なことは、社会の慣習として意味づけられたことを度外視して改めて捉えなおすことが求められています。社会にモノが満ち溢れ、企業も新しい価値を社会に提供していくためには、自らが築き上げてきた技術やノウハウに固執することなく、もっと大きな視点で事業を捉え、事業に対して新しい意味を付ける必要があります。


このトヨタ自動車の場合、これまで事業の目的としてきたクルマや住宅を方法と捉え直すことにより新たなスマートシティという目的を打ち出すことが出来たと言えます。これからのトヨタ自動車は、クルマというメーカーからコネクテッドシティ構想を実現していく事業コーディネーターとして、協業する企業や大学などと連携していくことでしょう。


この事業コーディネーターという役割は、新しい壮大な構想を実現していく為だけではなく、旧態依然とした既存の事業の中でも強く求められてくるものと思います。未だ確立された役割ではありませんが、例えばとある地方行政で地域の木材を利用して図書館を建設する時に、建設会社に一括発注することなく資材を別途支給する方法が採られました。


地域の森林から木を伐採し、製材、乾燥、二次加工を行って、JAS規格に適合する建設資材として提供する為には、多くの地域の中小事業者を巻き込んで利害関係を調整していく必要があります。そこにコーディネーターの役割が見出されます。手間は掛りますが、地域の木材を利用することと建設費を安く抑えることが狙いとしてあったようです。


スケールメリットを追求するが故に、事業の仕組みが固定化されており、お客様の要望に対して木目細かい対応が出来なくなっています。企業を連携させることにより、その硬直化された事業の仕組みを再度、組み立て直すことが可能となります。その時に必要なのが個々の事業を俯瞰して新しい意味を実現する事業コーディネーターなのでしょう。


今日もありがとうございます!
http://crelife.co.jp

×

非ログインユーザーとして返信する