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大手企業という生き物!

皆さん、おはようございます!
新年の仕事も始まり、また日常の生活に戻っています。歩みを緩めても、日々確実に時は刻んで行きます。仕事に追いかけられない様にする為、つい歩みを速めたくなりますが、今年は自らの呼吸を感じながらじっくりと腰を落ち着けていきたいと思います。



私にとってのサラリーマン生活の締め括りは、ある大手化学メーカーだと思っています。2000年代初頭、ようやく日本の大手企業がバブル経済崩壊後の後始末で、M&Aを活用して構造改革を模索するようになります。その様な時に、偶々、証券会社の知人を介して、M&Aの経験者を探している同社と出会いました。年齢にして39歳になる年です。


メーカーは初めての経験だったのですが、信用金庫や大手流通グループなどと比べますと、言葉を選びますが非常に業務がシステマチックで官僚的な組織であった印象が強く残ります。周囲を見渡せば、旧帝大系出身の学歴を持つ社員たちが、それこそ組織の歯車となって足元を見ながら寸分の狂いもなく、自らの業務をこなしている姿には驚きました。


その様な中で、社内M&A業務の統括、事業部への支援を司っていった訳ですが、M&A取引が成功するか否かがセンミツ(=千のうち三つ出来れば良いと言う意味です)と言われる中で、M&Aに名乗りを上げた事業部長が取り引きに成功できないと左遷されるところを目の当たりにした時には、流石に減点主義も甚だしく異常な世界だと思いました。


中途採用などいないにも拘わらず、経営戦略部という部署に課長職として配属になり、周囲から冷ややかに受け止められていたと思います。いまだからこそ、こうやって冷静に振り返っていますが、その時の気持ちは周囲の環境に対して鈍感なのか、自分に根拠のない自信があったのか分かりませんが、あまり気に留めていなかった様に思い返されます。


社内のM&A案件には全て関わっていますが、まだ社内にはM&AのMの字のノウハウもない時代で、兎に角、企業を買収することが目的となっており、買収する為にはお金に糸目を付けないという感じであったと思います。業務を統括する立場として、適正な価格で買収しないと、かえって同社の株価を毀損する事になるため黙ってはいられません。


社長や専務に対して、その価格では高すぎるということを随分と申し上げさせて頂いたと思います。いま思えば、冷や汗もので、随分と疎まれたのではないでしょうか。こちらからすれば、自分の仕事に対して忠実でありたく、かつ嘘はつけません。280円であった同社の株価を900円に上げるということを中期3ヶ年計画で掲げた手前もあります。


私からしますと、その当時の経営陣はファイナンスの知見など持ち合わせておらず、売上を拡大することに躍起になっていたものと思います。いまの大手企業こそ、ファイナンステクニックに走り過ぎている様に思いますが、その当時の企業はどこも同じようなものであったのでしょう。資本コストなどファイナンスの概念を根付かせるのに苦心しました。


この大手化学メーカーでのエピソードは、周囲に援護してくれる先輩や同僚がいないなかでゼロからM&A業務を立ち上げるという意味で、自身にとっての腕試しであり、いままで培ってきたことの卒業試験のようなものであったかもしれません。それだけ中身が濃く、自分にとっても良い経験でしたので、次回のブログで引続き記したいと思います。


今日もありがとうございます!
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