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サードプレイスの必要性!

皆さん、おはようございます!
毎朝、バス停まで歩く道すがら、行きかうワゴン車数台とすれ違います。よく良く見ると何れの車もデイケアサービスの送迎車であり、10年前なら見掛けなかった光景だと気がつきます。わが街も、高齢化が進んでいることを改めて実感する瞬間でした。



米社会学者、レイ・オールデンバークは、家でも職場でもない「サードブレイス(=第三の居場所)」の必要性を唱えています。形式張らない社交の場に集い、仕事や家庭の問題を忘れ、くつろいだ雰囲気で思いに耽ったり、話したりする人々の欲求を満たす場所を指し、イギリスのパブ、フランスのカフェがそうした役割を果たしています。


かつて米国では、居酒屋、床屋、美容院などが、そうした役割を果たしていましたが、居住地の郊外化の進展により、そうした場所は姿を消してしまい、人々はつながりを失い、孤独な状態に留まっているというのが彼の指摘です。日本でも、ファストフード、チェーンストアが興隆し、長年続いてきた個人店がどんどん廃業していっています。


社会における経済合理性の追求が、それまでの人間臭さが残る店舗を新しい洗練された機能的なシステムにより覆いつくしてしまい、店主やお客さんが親しく話すことのない空間を当たり前とするようになってしまっています。やはり、多様な人々が思いおもいに緩やかな関係性によりつながれた場づくりがこれからの時代に必要だと思います。


最近、日本でもカフェ、コワーキングスペース、フューチャーハウスといった施設が改めて見直されつつあります。一昔前に比べて、垢抜けた感じがしますが、これも情報化社会における洗練された暮らしを求める世相を反映したものなのかもしれません。しかし、そこに集う人々は、緩やかな人とのつながりを求めていることは間違いありません。


むしろ、それまでの人間臭さが残る社交場よりも、もっと自らの好みや嗜好といったものに敏感であり、それに共感できる人々が集っているという意味では、同質性が高いのかもしれません。そいうった個性を表象する空間としての装いや、その空間の中における気取らない自然体の店主の演出が、人々を惹きつけ飽きさせないものなのでしょう。


その様な同質性の高い人々が集っていますと、一人コーヒーを飲みながら思いに耽っていても、周囲の存在が気になるものです。何かの拍子で見ず知らずの周囲の人との会話が始まることもあるでしょう。もともと、そのサードプレイスに関心を寄せて集まっている人々ですので、話題に共感を持ち楽しいひと時を過ごすことができるものでしょう。


人間とは、自らの経験に基づき様々な思考や知識を内に秘めている存在です。その意味では、人の数だけ自分にはない思考や知識が存在する訳であり、その様な自分とは異なる思考や知識に触れることにより、自らを成長させることができ、また新しい思考や知識を創出することが出来ます。その様な人間的な交流を求める存在でもある訳です。


昔に比べて現在の方が、人々の情報に対する感応度が高まっていると思います。必要なのは、以前のような人間臭い交流の場ばかりでなく、サードプレイス自体が失われつつある中で、人々が自分を取り戻すことが出来る、安心でゆとりのある社交の場所をもっと社会に設けていくべきでしょう。それが社会イノベーションにも通じるものと思います。


今日もありがとうございます!
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