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外食大手M&Aから街の名店を守る!

皆さん、おはようございます!
今朝は雨音で目覚めました。いつも5時頃に起きますが、最近は辺りも未だ暗く、季節は確実に冬へと向かっているのがわかります。天気予報によれば、気圧配置も冬型となりつつあります。時の過ぎゆく速さを感じながら、一歩づつ踏み固めて行きたいと思います。



外食産業で大手企業による小規模な企業のM&A(=合併・買収)が広がっているようです。吉野家ホールディングス(=HD)や居酒屋「磯丸水産」などを運営するクリエイト・レストランツHDが相次いで地域展開にとどまるラーメン店「とりの助」やうどん・そば店「銀座木屋」を運営するチェーン店を買収しています。


味などのノウハウや常連客を引き継いで、成長の足がかりにすることを目論んでのM&Aです。後継者不在という経営課題に直面する小規模な企業は多く、新たな業態を生み出すことの難しい大手外食チェーンにとって、既に地域でネームバリューを確立している小規模外食チェーンを取り込む動きは今後も相次ぐことになるのではないでしょうか。


外食産業ほど、お客様の千差万別な味覚という多様なニーズに応えて行かなければならない難しい事業だと思います。その様な市場環境の中で、小規模ながらも一定の地域で好評を得て来た外食店は、やはり誰が食べても美味しいと感じさせる、長年築き上げてきた確固たる味のノウハウを確立しているということができると思います。


その様な老舗にも似た外食店を経営者の後継者不在により絶やさないという意味において、大手外食企業により事業承継型のM&Aが行われることは、時代の流れとして前向きに捉えるべきかもしれません。一方、多様な社会が到来する中で、どの地域に行っても同じ様なチェーンレストランの看板が立ち並ぶ姿は、時代に合致しているとは言えません。


外食産業も、今まではスケールメリットを追求して、セントラルキッチン、メニューの標準化、チェーンストアオペレーションを進めて来た結果として、いまの標準化された機能的な業態が存在しています。この半世紀の間に、家庭の味とは異なる、本格的なレストランの味を広く廉価に人々に提供してきたという意味で、社会に貢献してきたと思います。


しかし、いま人々が求めているのは、必ずしも標準化された廉価なメニューばかりではなく、調理人のこだわりの逸品を探し当て、それを堪能する多様性にあります。その意味で、大手外食企業がM&Aした地域の小規模外食企業の味をチェーンストアオペーレーションの発想で、全国展開したのでは折角の味が大衆化してしまうことになります。


小売店を営む物販業もそうだと思いますが、市場が飽和するほどに多店舗展開を行うことなく、その店舗の老舗たる味わいを大切に育てる転換点をいまの経済は迎えているのではないかと思います。大事に老舗店舗を継続し続けて事業の付加価値を守り通す考え方があっても良いでしょう。規模を追求するだけが、経済価値を高めることになりません。


その為には、企業運営において、いままで事業の所有、経営、運営が一体化していましたが、これからはそれらを分離して捉えることも必要でしょう。キリンビールでも、必ずしも地域のクラフトビールメーカーをM&Aするばかりでなく、製造や販売プロセスを受託するなど、細やかな連携関係を強化することにより中小との共存共栄を目指しています。


今日もありがとうございます!
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