皆さん、おはようございます！
最近、新たに事業を立ち上げようとする方へ支援をする機会が増えています。人それぞれ個性があり、その人が持つ良いところを伸ばし、不足するところを補うよう心掛けています。人生の目的が明確な方は、全てに対して貪欲であり成長に目覚しいものがあります。

今までの社会では、機能的な物質面で不足するモノを充足させることが目的となってきたと思います。それを司る役割として、労力や資本を集中させ大量にモノを生産供給する経済合理性に叶った企業が主体となり、いまの社会を繁栄させてきたといえます。しかし、その目的も大方充足され、現在は次なる目標を模索している状況にあります。

これからの社会は、満ち足りた物質の意味を問い直す時代になることは間違いないでしょう。生活する方々にとって生き甲斐を実現して行く精神文明へと移行する中で、いままで私たちが為してきた慣習、築き上げてきた社会システム、生活を彩るモノとの関係を改めて問い直し、取捨選択しながら新しい価値を見い出していく時代です。

機能性一辺倒であった捉え方から、人それぞれの個性に裏付けられた意味性を与えていくことになります。その様な社会においては、いままでの様にモノを供給する主体とそれを消費する主体という明確な線引きがなされることなく、その明確な線が曖昧になって来ると思います。生産者と消費者の距離が急速に縮まることでしょう。

生産者たる企業は、機能的なモノを作り続けるという単調な目的が失われ、全てを自前主義により内側に求心力を働かせていては、新しい社会の個性的なニーズを取り込むことはできないでしょう。もっと生活者に寄り添っていく必要がありますが、いまのピラミッド型階層組織という内向きで堅牢な体制では、それに覚束ないと思います。

もっと企業を形作っている枠組みの垣根を低くし、そこで働く生産者が価値観を共有する個性豊かな生活者と繋がりながら、自らも生活者として自社が提供する商品の意味性を認めていくプロセスが不可欠だと思います。その過程では、自らの経験に根差した暗黙知としての価値観を他者と共有しながら周知確立させていかなければなりません。

価値観を共有しながら社会に認められた通念としていく為には、人々がコミュニティを形成し能動的に情報発信を行っていくことが必要です。そして、ただ単に人々が共感し連帯感を持つだけに留まらず、いままでの社会の枠組みに対して新たな意味を持たせる行動を為さなければなりません。それをこれからの時代のビジネスというのかもしれません。

これからビジネスは、新しいモノを創造するのではなく、新たな意味を見い出していくことなのでしょう。いままで築き上げてきた枠組み、システム、モノに新たな息吹を与えるには、縦割りとなった社会の仕組みを生活者の視点で捉え直す、抽象化、概念化といった思考に加え、実際に人々に共感を与えながら利害を調整して行く力が必要です。

人々が価値を共有するだけではなく、ビジネスとして採算を成り立てていく構想力と計画性も必要でしょう。それらの力を一括りにすると「意味編纂力＝アレンジメント力」ということになるのかもしれません。そこに向けた片鱗が至る所に見受けられる様になっていおり、新たな社会の幕開けは直ぐそこまでやって来ていると言えるでしょう。

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