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伝統を守るということ!

皆さん、おはようございます!
台風19号の影響で、外は朝から激しい雨が降っています。夕方から夜半にかけて台風が上陸することから、これから激しい暴風雨となっていくことでしょう。自然界の猛威に対峙したとき、改めて人間は自然環境に包摂された存在であることを意識します。



先日、池袋にあるタカセというノスタルジックな雰囲気の本格洋食レストラン・喫茶に行って来ました。大正9年創業のこのお店は、創業以来変わらぬ製法と厳選した素材で多くの人々に至福のひと時を送り届けて来ています。ファミレスと変わらぬ価格帯であるにも拘わらず、食べ物は手づくり感溢れる本格的な味覚で飽きさせません。


まもなく創業100年を迎えようとしているこのタカセは、どうして創業当初と変わらぬ商品を提供し続けることが出来るのでしょう。ただ単に料理のレシピを標準化し、効率的に商品を提供するのとは異なる、料理人の間に脈々と受け継がれた味や製法を守り続けることは、愚直なまでに自らの商売に対する「思い」がなければ出来ないと思います。


時代の流れとともに人々の価値観も変わり行くものですが、その様な中でも変わらないお客様に対する思いやりにも似た商売の哲学を感じざるを得ません。日本が近代化への道を駆け上がるタイミングと時を同じくして、このお店は商売を営んで来ている訳ですが、昔ながらの洋食屋の味を守り通すところに「伝統」が生きづいているのでしょう。


激動の時代的な背景の中で、この伝統や思いを守り通すことは、簡単なようでなかなか出来ることではないと思います。きっと商売を営む上で様々な紆余曲折があったと想定されますが、社会の潮流として近代化によるセントラルキッチンや多店舗展開など経営合理化の考えが蔓延する中で、それに迎合することなく自身の信念を貫き通す強さを感じます。


商売を営むうえでは、何事にも捉われることなく自らの考えを思い描く自由がある半面、それが正しいのか間違っていないのかを評価すべき便利な尺度など存在しません。お客様の声を真摯に受け止めながら、自らの理想とするところを追い求めていくプロセスは、孤独との戦いであり自らの審美眼を拠り所とした自己内省を繰り返す他ありません。


それでも迷わずに伝統や自らの思いを貫き通せるのは、人々との対話が存在するからだと思います。自分以外の人との関わりを通して、自分の思いや考えが間違っていないかどうかを感じ取っていくプロセスが不可欠です。それがお客様との関わりの中で自らの価値観が確認できた時に、それ以上の遣り甲斐や安心感はないでしょう。


とかくいまの社会は、経済合理性を追求する組織集団が広く社会に認められており、その枠組みを拠り所とした一定の価値観を通してものごとを考える、いわば受動的な立場に慣れ親しんでしまいます。その様な立場では、組織としての価値判断の枠組みに守られる半面、自らの思いや考えを100%貫き通すことができません。


組織集団としての活動は最大公約数的な価値判断となるため、速度が緩慢となってしまいます。いま社会で求められているのは、あらゆる人々が自らの思いや考えに基づき行動する多様な個性です。時代の変革期において、一人ひとりが社会との関係の中で自らの思いや考えを積極的に表現していくことが不可欠でしょう。


今日もありがとうございます!
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