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ビジネスモデル!

皆さん、おはようございます!
情報技術の進展により、企業は自らの事業にそれらを活用しなければならなくなっています。自動車業界であれば、いままでなら開発と生産が事業の要であったと思いますが、これからは移動手段としてのクルマをどの様に利用するかということが問われます。



Webビジネスが興隆しはじめた2000年代初頭より「ビジネスモデル」という概念が着目されるようになっています。ビジネスモデルとは「お客様が企業から提供される製品やサービスと引き換えに代金を支払い、企業は利潤を得るという一連の事業の仕組みや構造を類型化すること」を意味します。


特に、お客様と企業間のインターフェースとしてインターネットなどの新たな情報技術が活用されるようになり、製品やサービスの選択と購買(調達)、決済、配送(物流)までの一連の事業の仕組みや構造を整理しシステム化することにより、収益性を高めた新規性のあるビジネスモデルが登場したことで注目される言葉となったと言えます。


ITバブル崩壊により、一時、なりを潜めていたビジネスモデルという言葉ですが、最近になり第2次ビジネスモデルブームとも言われるくらい、改めて頻繁に使用されるようになっています。第1次ビジネスモデルブームがWeb事業をはじめとする広義のIT業界において出現した新たな事業の仕組みを説明する際に便利な道具でした。


それが今では、情報技術革新がIT業界に留まらず、様々な産業に浸透しはじめ、従来の既存事業のビジネスモデルを構造的に変容させはじめ、新たな事業のあり方を説明する為のツールとして不可欠であることが再認識されはじめたと言えます。確かに自動車産業におけるクルマの製造から移動手段としてのモビリティへの変化は分かり易いと思います。


世界の自動車産業が目指すCASE(=つながるクルマ、自動運転、カーシェアリング、電気自動車)、およびMaaS(=モビリティ・アズ・ア・サービス、様々な移動手段をシームレスに繋げて移動の利便性を高めるサービス)のいずれも情報技術を抜きには考えることが出来ない新たな事業ということが出来ると思います。


いままでの自動車メーカーは、企業毎のブランドの違いこそあれ、クルマを商品開発、生産、販売、アフターサポートという一連のサプライチェーン(=原料の段階から製品やサービスが消費者の手に届くまでの全プロセスの繋がり)を持っているという意味では、技術ノウハウと生産設備を源泉とする一つのビジネスモデルだと言うことが出来ます。


ところが、CASEやMaaSといったこれからの事業のビジネスモデルは、未だ確立されておらず、いままでのクルマづくりとは異なる新たなサービスを提供する仕組みを構築していくことが必要となります。もしかすると、その時にはクルマづくりはもはや付加価値を生み出さず、自動車メーカーは外部の会社に生産委託しているのかもしれません。


また、スーパーマーケットは、お客様にとって利便性の高い立地特性を生かして、商品を仕入れて販売していたシンプルなビジネスモデルです。アマゾンによるネット通販の興隆とリアル店舗との融合という最中で、小売業界もいままでとは異なるビジネスモデルへと変容していくものと考えられます。


製造業や小売業といった既存事業のビジネスモデルは、企業が異なっても同業者であれば事業が標準化されており類型化することが可能です。もちろん製造業と小売業では全く異なるビジネスモデルであるこはご理解頂けると思います。必要なのは、業界毎に異なる既存のビジネスモデルを変革していかなければならない時期に差し掛かっていることです。


必ずしも全ての今後の事業について情報技術を活用してビジネスモデルを変えていく必要はありませんが、社会の仕組みが大きく変容している中で、どの会社も既存事業のビジネスモデルの改編に迫られていることは間違いありません。その様な事業の仕組みやシステムを説明するのにビジネスモデルという概念は非常に便利なツールと言えます。


日本でも2000年にビジネスモデル学会という組織が出来ていますが、学問的には未だ確立されているとは言えないようです。ビジネスモデルを考える際の重要な要素として①お客様(=Who)、②提供価値(=What)、③プロセス(=How)、④収益構造(Why)という4つの切り口から事業の仕組みを表現していくと言われています。


これらは確かにビジネスモデルの概観を表していますが大事な要素が抜け落ちていると思います。これからの時代、企業が生み出す付加価値は、工場における生産設備よりも労働力としての独創的なアイディアや知恵が必要になります。その意味から、ビジネスモデルでもノウハウや情報といった無形の資産に目を向ける必要があるでしょう。


今日もありがとうございます!
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