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新卒通年採用!

皆さん、おはようございます!
6月に入り、今年もまた夏が近づいてきました。街を歩いていますと、真新しい紺色のスーツに身を包んだ若者たちが行き交っている姿が目に留まります。2020年春卒業予定の学生たちの選考解禁日を迎えていますが、早くも就職活動も終盤のようです。



6月1日に2020年卒の大学生・大学院生の新卒採用に向けた経団連加盟企業の入社選考が解禁されています。今年を最後に現行の採用ルールは廃止され、政府が代わって新たなルールを策定することになります。4月に経団連と大学は、新たに通年採用を推進することで合意されていますが、未だそのルールや手法が明らかになっていません。


いまのまま通年採用を導入しましても、企業側の優秀な学生を採用したいという考えは変わらず、新卒採用の選考時期が早期化するのみで何も変わらない様な気がします。一方で、企業が求める優秀な学生像も変わりつつあり、単に偏差値レベルが高い大学生を求めるのみならず、ある特定分野の専門性や能力に秀でている学生に魅力を感じるようです。


また、企業側も単に企業の持つブランド力に惹かれて来る学生よりも、企業のことを充分に理解し、志望目的が明確な学生に興味を惹かれるのは事実であり、その様な学生は内定を辞退することが少ないとも言われています。通年採用が始まりますと、学生が企業に応募するだけではなく、企業側が学生にアプローチすることも増えるでしょう。


通年採用を導入するにあたり、企業側が採用日程などを決めず、また採用試験を新卒者に限定することなく門戸を開くことが必要だと思います。学生がいつでも好きな時期に企業に応募することが出来るという考え方が社会通念として一般化されれば、学生も慌てずに自分の学業スケジュールに合わせて就職活動が出来るからです。


いまの新卒一括採用では、曲がりなりにも就職スケジュールが一律に定められてしまいますので、そのスケジュールに則って学生も動かざるを得ないという問題があると思います。学生には学生の就職活動への都合やタイミングがあると思いますので、自分の良いと思った時期に就職活動を行うようにすべきです。


採用する側の企業にとっては手間がかかり、採用業務が煩雑になることが否めませんが、企業の生命線である人財の採用に関わることですので、手間を惜しまず充分に労力を割いてでもきちんと対応をして頂きたいものです。少子化により学生数が減少し売り手市場となりますので、各企業とも知恵を絞り採用活動を行うべきでしょう。


これからの時代、新卒採用の通年化とあわせて、中途採用も増えていくと思います。それは、企業が今までの本業である事業を改編して新たな事業を創出させていく必要に迫られており、その新たな事業に適した人財をその都度、採用していく必要に迫られるからです。一度、事業の体制を固めたら、それが長く続いて行く時代ではありません。


また、新卒で企業に入社した若い社員は、一つの企業に勤めあげるのではなく、自らの職業人生の目的に向かって、キャリアを積み上げながら職を変えていく人が増えていくと予測できるからです。その意味では、日本の雇用環境も人財の流動化が本格的に増える時期を迎えているということが出来ます。


経団連中西会長のこれからの時代の事業は、一度立ち上げたらそれを長きにわたり維持できる時代ではない。また、トヨタ自動車豊田社長のこれからの企業は終身雇用を維持していくことが難しい時代になったという発言からも読み取ることが出来ます。商品のライフサイクルが短くなりそれにあわせた人員配置を適宜行っていく必要を示しています。


その様な時代になればなるほど、人財側は自らの能力開発を絶えず行い続け、専門性を高めていこうとするものだと思います。それが、企業側の新卒採用における判断基準においても、自らの能力を高めていこうとうするポテンシャルの高い学生などを採用して行こうという形として現れて来ると思います。


自らの職業人生の能力を高めていく為には、自分の市場価値を知り、ビジョンを持って自律的に行動していく必要があります。それは、新卒採用に限らず、職業人として誰しもが持ち続けなければいけない基本的なリテラシーとなるでしょう。自らの個性を知り、それを生かしてこそ豊かな人生を築き上げていくことが出来るものだと思います。


新卒一括採用から通年採用へ移行するにあたり、企業側もこのことを充分に理解して挑むべきだと思います。いつまでも横並び意識に惑わされることなく、各企業がこれからの人財方針に対する理念をきちんと持ち得なければ、結果的に企業の将来を託す優秀な人財を採用することすらままならなくなるでしょう。


今日もありがとうございます!
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